静岡

湖西市、今月2回目の選挙投票日一度にしたら?

2015年4月24日

 統一地方選の後半戦は、二十六日の投開票に向け、各地で舌戦が繰り広げられている。前半戦で県議選があった湖西市では、市議選があり、今月二回目の選挙。一回にまとまるなら、有権者にとっては効率的で、低迷が課題となっている投票率のアップにつながるとの見方もある。半面、選挙事務が煩雑になり、簡単ではないとの声も聞かれる。

◆経費削減、投票率アップか 事務煩雑に

県議選の開票作業に従事する湖西市職員=12日、市アメニティプラザで

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 統一選の日程は、昨年十一月に制定された「選挙期日等の臨時特例に関する法律」により、道府県と政令市は今年四月十二日、それ以外の市町村は四月二十六日と定められた。

 総務省選挙部管理課の担当者は「全国一斉に実施することで国民の地方選への関心を高める狙いだが、知事や県議、市長など最大で四つの選挙が一度に重なると、選挙事務への負担が大きい」と前後半に分けた理由を説明する。

 これに異を唱えるのは、湖西市の三上元市長。市広報紙に連載する市長コラムで、県議選と市議選を別の日とすることに疑問を投げ掛けた。

 その理由として挙げるのは投票率。二〇一一年四月の前回選では、一議席を二人で争った県議選湖西市選挙区が59・70%だったのに対し、定数一八に二十五人が立候補した同市議選は69・22%だった。三上市長は「一緒にすれば、高い方に引っ張られる」と主張する。

 選挙費用の削減も理由に挙げた。前回選で市が負担した費用は県議選が千二百万円、市議選が二千五百万円の計三千七百万円。市の試算によると、県議選と市議選を同日にした場合、投開票に従事する職員らの人件費や事務経費などで七百万〜八百万円ほど削減できるという。

 一方、選挙事務を担当する市職員は「投開票日をそろえた場合、作業が煩雑になる」と指摘する。二つの選挙の立候補の受け付けや投票所入場券の発送、選挙公報の配布など、作業が短期間に集中するからだ。

 告示日から投票日までの期間が、県議選は十日間、市議選は八日間と異なるのも負担になる。

 市は、公職選挙法に基づき、告示日前日の時点で選挙人名簿を作成し、入場券を有権者に発送する。二つの選挙は、告示日が二日ずれるので選挙人名簿もそれぞれで、その間に転入・転出があれば人数も変わる。

 政令市の浜松市は今回の統一選で、市長、県議、市議のトリプル選だったが、この職員は「大きな自治体に比べ、湖西市では人員の確保など態勢づくりが難しい」と話す。

 これに対し、三上市長は「投票率アップと選挙費用削減という二つの大きな理由に比べれば、いずれも小さな問題」と話している。

 選挙期日等の臨時特例に関する法律 正式名称は「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律」。四年ごとの統一地方選を執行するため、毎回制定される。今回は原則として、今年三月から五月までに任期満了となる自治体の議会議員や首長の選挙期日を前半、後半に分けて統一した。

(広中康晴)