静岡

湖西市議選 19人に聞く<上>

2015年4月23日

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◆合併から5年 「順調」は7人、道半ば

 旧新居町と合併し、湖西市は五年が経過した。二十六日に投開票される湖西市議選(定数一八)の立候補者十九人にアンケートをして聞いたところ、新市への移行が「順調に進んでいる」と答えたのは七人にとどまった。合併後の市の取り組みは道半ばのようだ。

 「順調」と答えた七人を地域別で見ると、旧湖西市が六人、旧新居町は一人。現職候補は十五人のうち、わずか四人だった。施設共用による経費削減や住民同士の交流が活発になった点などを理由に挙げた。

 合併して良かった点を尋ねる質問では、旧湖西市の候補からは観光の魅力が増したという意見が目立ち、旧新居町の候補は国の特別史跡「新居関所」の大御門(おおごもん)を復元できたことを指摘した。順調と答えた七人のうち六人は、合併して悪かった点は「なし」と答えた。

 「順調ではない」と答えた三人のうち、二人が旧湖西市の候補だった。市民サービスの低下などを理由に挙げ、「合併によって津波対策の必要な地域が増大した」と答える候補もいた。

 「どちらとも言えない」と答えた九人も「不便になったという声が多い」(現職)、「合併によるメリットを感じていない市民が多い」(新人)などと厳しい意見が並んだ。

 耐震不足で昨年九月に建て替えられた新居体育館や、新居関所周辺の道路整備などを引き合いに出して、「旧新居町にばかり投資されており、旧湖西市はこの五年間、目に見えたインフラ整備が進んでいない」(現職)と不公平感を訴える候補もいた。

 四月上旬に十九人にアンケート用紙を配り、合併の評価や市の課題などを尋ねた。十九日の告示前までに全員から回答を得た。

◆ここ4年間の湖西市の市政運営と市議会

 市議会の議員18人は、公明と共産が1人ずつで、無所属が16人になる。三上元市長も特定の支持政党がなく、政党の違いによる議会運営の難しさはない。市の幹部は「会派がないので各議員が自分の考え方で動いていて、是々非々の関係」と話す。

 市議会事務局によると、4年間に否決された議案は、2012年9月議会で否決された市長ら三役の退職手当を恒久的になくす条例案など4件だった。