静岡

富士宮市長選 候補者の横顔 

2015年4月21日

 現職と新人の一騎打ちとなった富士宮市長選。26日の投開票に向けて論戦を繰り広げる2人の横顔を紹介する。

(上から届け出順)

◆弱者のために尽くす

須藤 秀忠(すどう・ひでただ)さん 68歳 無現=民主推薦

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 「富士山を見ては気持ちを大きく持ったり、しょげているのを慰められたりする」。富士山本宮浅間大社を幼少期の遊び場に育った。先祖は富士信仰を守った神主だと伝わる。「富士山への思い入れは人一倍」

 新聞配達をしていた小学生の頃、新聞に目を通し、政治への関心が生まれた。父親の事業の失敗という苦い経験もあり「恵まれない人、弱い人のために力を尽くそうと思った」

 趣味は読書で、歴史物を愛読。好きな人物に「命を惜しまず変革に尽くした」と坂本龍馬、尊敬する人物には「平和な社会を築いた」と徳川家康を挙げる。

 青年団の仲間に担がれ、三十二歳で市議に初当選。市内を拠点とする暴力団の犯罪根絶やオウム真理教の解散に向け、対策の先頭に立った。座右の銘はチンギスハンの言葉「次に来る旅人のために、泉を清く保て」。妻と二人暮らし。

◆命のものさしで政治

近藤 千鶴(こんどう・ちづる)さん 59歳 無新 

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 富士宮市と旧芝川町との二〇一〇年の合併までは「普通の主婦だった」と振り返る。自宅の台所も料理教室を開けるように改装してある。「手料理をおいしいと言ってもらえるのが何よりの幸せ」。家族の介護にも奔走し、これまでに三人の最期をみとった。

 生まれ育った芝川町の財政破綻がささやかれ、市町合併を求める住民発議の発起人に名乗りを上げた。集めた署名は町民の半数以上だったが、行政側の調整は難航。〇九年の町議選に出馬、初当選し、翌年にようやく合併が実現した。「政治の世界に飛び込まなくては何も変わらなかった」

 合併に伴う失職後は、中部電力浜岡原発の再稼働の是非を問う県民投票を求める運動の先頭に。孫が昨年に市立病院に入院し、医師不足の窮状を聞いて市長選出馬を決意した。「命のものさしで政治をしたい」と話す。夫と二人暮らし。

(小佐野慧太)