静岡

節目のはままつ 鈴木市政3期目の展望 

2015年4月17日

◆市長インタビュー 区再編 丁寧に説明

三選を果たし抱負を語る鈴木康友浜松市長=浜松市役所で(斉藤直純撮影)

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 浜松市長選で三選を果たした鈴木康友市長が本紙のインタビューに応じ、三期目の主な市政課題について見通しを語った。選挙の争点となった行政区再編は、市議会と丁寧に調整し、市民の不安を解消しながら着実に進める考えを強調した。

 −行財政改革の主要項目を示す新たな行政経営計画では、区再編の工程表を出すのか。

 「区再編は計画に入れるが、どう盛り込むかは議会との調整になる。五月市議会に計画を提示し、総務委員会などで話をしてもらう。手続きは丁寧にやる。計画は六月中にまとめたい」

 −議会や市民に区再編をどう説明していくのか。

 「不安や疑問点にはしっかり答えたい。一番心配なのは市民サービスが低下するという声。これは政令市でも桁違いに多い支所を活用することで十分フォローできる。他に問題があれば解消していく。感覚的、感情的でなく、具体的な議論に入りたい」

 −区再編を後押しする行政経営諮問会議の予算は、市議会の了解を得ないと執行できない状況だ。

 「諮問会議を阻止するという話ではないと思う。ちゃんと議会と話をして、手続きを踏んでいく。そんなに心配していない。今後は人口減少対策の話になるので、反対する理由はない」

 −二〇一五年度中に策定する公共施設等総合管理計画は、どこまで具体的に方向性を出すのか。

 「公共施設であれば、教育、文化、体育施設など、種類ごとに方向性を出していく。五十年間で三兆二千億円かかるという諮問会議の答申もよく検証する」

 −諮問会議の答申では、公営住宅や幼稚園、保育所は全て民間移管だ。

 「民間に力がない時代は官がやるしかなかったが、今はほとんど民間でできる。時代の流れ。もちろん民間で成り立たない地域は公立で一定程度支えていかなくてはいけない」

 −新原田橋はいつごろまでに方向性を定めるか。

 「いま技術的な問題を検討している。五月中に壊れた橋の除去を終わらせるめどはついた。いつまでにと言いたいが専門家の議論次第だ。(事業費が)五十億円くらいかかると腹はくくっている」

 −市教育文化会館(はまホール)はどうする。

 「四月下旬から検討会が始まる。どうしても代替施設をというなら考えるが、いまの場所(中区利町)では駐車場も取れない。市立小中学校の発表会が多いので、市立高校の立派なホールでやればいい」

 −棚上げになった市立幼稚園の再編計画は。

 「紋切り型に発表したからだめになった。ただ、新入園児が少なくなっているところもある。頭ごなしでなく、地域ごとに丁寧に相談をしていく」

(聞き手・長崎高大)