開票が始まる前の午後八時直後、早々と田辺さんの当選確実が伝わると、高田都子（ともこ）さん（６２）の静岡市駿河区の事務所は静まり返った。八分ほどで姿を現した高田さんは時折、言葉を詰まらせ「応援していただいたのに届かず大変残念。私の力不足です」と頭を下げた。

　人口減対策の目玉政策として打ち出した女性市民税ゼロを「大変いい手だと思う」と自賛しながらも「（短い）選挙戦ではご理解いただきにくく、もう少し時間が必要だった」と浸透不足を悔やんだ。

　現職以外に立候補の動きがない中、三月初旬に出馬を宣言。政党、団体の支援を受けず、四十日間の短期決戦に臨んだ。ビラやインターネットなどを駆使して「人口百万人都市」の実現や初の女性市長誕生を訴えたが、現職の組織力に及ばなかった。

　今後を問われると「市が良くなるよう考えていきたい」と語った。