静岡

政令市かじ取りは 各候補、最後まで熱弁

2015年4月12日

選挙戦の最後まで支持を訴える候補者と聞き入る有権者=11日午後7時39分、浜松市中区のJR浜松駅北口で

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 政令市のかじ取り役は誰に−。統一地方選前半戦(十二日投開票)は十一日、選挙戦の最終日を迎えた。浜松市と静岡市の両政令市では投開票を翌日に控え、市長選の候補者五人が街頭演説したり、選挙カーから支持を呼びかけたりして、最後の訴えに力を込めた。支持者からの拍手や声援を受けて、十四日間の選挙戦を締めくくり、有権者の審判を待つのみとなった。

◆浜松市長選

 浜松市長選では、無所属現職の鈴木康友さん(57)は市内を選挙カーで巡り、各地の大型ショッピングセンター近くで街頭演説をした。西区の県道交差点では、信号待ちをしながら車中で演説を聴いていた市民が窓を開け、手を振って「がんばれよ」と声援。鈴木さんは「今回で七回目の選挙になるが、ここまで反応のいいのは初めて」と笑顔を見せた。

 最後は、出陣式と同じJR浜松駅北口。マイクを両手で握り締め「みなさまの支持が一票でも多いほど三期目の市政が前に進む。最後まで支援をお願いします」と、集まった支持者を前に、公選法規定の午後八時直前まで訴えを続けた。

 無所属新人の嶋田博さん(66)は、中区の住宅地を中心に街頭演説した。これまで通り切々とした口調で訴え、「大企業ではなく、市民の暮らしが第一の市政に」と繰り返し主張。有権者らと握手を交わして支持を呼び掛けた。

 日没近い午後六時ごろ、支持者が集まった中区の選挙事務所前で最後の演説。「市街地では『街中を何とかしてくれ』と駆け寄ってくる方がいた。天竜区の原田橋の崩落現場では、市民の声が行政に届いていないと実感した」と選挙戦を振り返った。「この住民の声が届かない市政を転換したい」と力強く訴えると、支持者から拍手がわいた。

◆静岡市長選

 現新三人が争う静岡市長選では、無所属現職の田辺信宏さん(53)は午前八時、選挙カーに乗り込むと、JR草薙駅から遊説をスタート。まずは重点地域と位置付ける清水区を回った。駿河区に続き、葵区では中心部を市民と握手しながら一時間以上練り歩き、支持を訴えた。午後六時からは青葉イベント広場で総決起大会を開き、集まった支持者を前に「身近で力強い市長になる。手を離さず付いてきて」と声を張り上げた。

 無所属新人の松浦敏夫さん(62)は朝から葵区の団地などを回り、街頭演説。最後は市役所前の繁華街で「私たちの暮らしを守る市政を」と訴えた。百四十億円をかけて整備が進む日本平、駿府城の天守閣再建計画などのハコもの行政に反対の声を上げ「財源を福祉や教育に回し、住みやすいまちづくりをすることが人口増につながる。一緒に新しい市政をつくりましょう」と呼び掛けた。

 無所属新人の高田都子(ともこ)さん(62)も、朝一番から市内を遊説。午後は市役所前の広場で、沖縄の音楽家で元参院議員喜納昌吉さんらの応援を受け、最後の街頭演説に臨んだ。現市政は、女性の人口流出に手を打ってこなかったと批判。「大変な時だから女性の市民税ゼロを打ち出した。浮いたお金を市内で使えば経済が潤い、雇用が生まれる。いい循環をつくらなくては」と改革を訴えた。