静岡

選挙費用節約志向

2015年4月11日

◆浜松市5億600万円 静岡市2億5500万円

 十二日に前半戦が投開票される統一地方選で、ポスター掲示板や投開票など選挙にかかる費用を負担するのは各自治体。政令市で市長と県議、市議のトリプル選となった浜松市は五億六百万円、市長と県議のダブル選の静岡市は二億五千五百万円を費やす。両市とも使途を見直すなど、やりくりに余念がない。

 自治体は、投開票時の人件費や会場費のほか、ポスター掲示板の製作や設置、選挙公報などにお金を使う。

 浜松市では、今回と同じ三つの選挙があった二〇〇七年の五億九千二百万円から15%減額。ポスター掲示板設置などの委託費や、投票用紙の自動交付機などの備品購入費を減らした。

 国政選挙では最近、物価変動などを踏まえて費用の基準を見直し、全体額を減らす傾向にある。浜松市選管は「統一選も国政選挙に準じ、費用を抑える傾向にある。予算の枠内で最大の効果を得られるように工夫している」と説明する。

 行政が出費を切り詰める影響は民間にも及ぶ。看板製作のアライデザイン工芸(中区)は、市の委託を受け、ポスター掲示板を約八百七十カ所に設けた。新井和美社長は「掲示板は規格が決まっており、製作費を抑えることは難しい。設置工事の際に使うレンタカーを自前の車に切り替えるなどし、対応している」と経費削減の取り組みを話す。

 静岡市は統一選で市議選がない分、浜松市よりも総費用は少ない。だが、前回一一年の二億四千万円より千五百万円増えた。市選管は「広告などで投票を呼びかける啓発費を増やした」と理由を挙げ、投票率アップを図る姿勢をみせる。

 「前回から開票作業を見直し、時間外勤務手当の単価が低い若手職員を多く登用するなど、人件費は抑えている」と、節約志向は浜松市と同じだ。

(西山輝一)