静岡

浜松市議選候補者97%「脱・減原発」

2015年4月11日

 浜松市議選(12日投開票)で本紙が58人の候補者全員に実施したアンケートで、国政の課題も聞いたところ、エネルギー政策では、97%にあたる56人が脱原発あるいは原発を減らすべきだと答えた。集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更は、党派によって真っ二つに見解が分かれた。

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 「原発をゼロに」と答えたのは十五人。共産党は「これ以上、核のごみは増やさない」として六人全員、維新の党は一人、公明党は五人のうち中区と南区の現職二人が二〇三〇年代までに全廃とした。無所属は、北区の自民党推薦の現職と中区の元職、南区の社民党推薦の新人、東区の政党推薦の無い現職、天竜区の無所属現職三人のうち市議長が“ゼロ派”だ。

 中区の政党推薦の無い無所属新人三人は、意見が割れた。歯科技工士はゼロを主張するが、絵画講師と元会社員は「安定性の高い電気は必要」などとし現存する原発は活用と考えている。

 このほかの候補者四十一人は、いずれも「三〇年代までに原発を減らす」としている。「原発をもっと増やす」と答えた候補者はいなかった。

◆集団的自衛権は賛否二分

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 一方、安倍政権の集団的自衛権の行使容認を「支持する」のは、二十六人。自民党は公認の八人全員が同意した。公明党は五人のうち中区と西区の現職計二人が支持を表明したが、ほかの三人は「今後の協議をみる」などとして回答を事実上保留した。無所属のうち四人は「安全保障の問題は市議会で議論することではない」などとして態度を明らかにしなかった。

 「支持しない」のは二十五人で、共産党と民主党など中央の野党から公認や推薦を受けている候補者十人が足並みをそろえた格好だ。無所属は意見が割れ、中区で自民党の推薦を受けた新人の元市教育委員長は「戦争への介入が容易に行われる恐れがある」として不支持の意思を示した。

(宿谷紀子)

 静岡大の日詰一幸教授(行政学)の話 浜松市は航空自衛隊の基地がある。また、浜岡原発で万が一大きな事故があれば影響を受ける。有権者の負託を受ける地方議員として、議論を積み上げる必要がある。原発や安全保障は国政の問題だからといって無関心ではいけない。今後四年間で、特に浜岡原発の再稼働は大きな議論になる。もっと選挙の争点にして、有権者に自分の考えを説明すべきだ。