静岡

県議選 注目区を行く<3>

2015年4月8日

袋井市・森町(二…3)

   水野 憲司 68 無新

   山本 貴史 45 無現 当選1回

   渡瀬 典幸 52 自現 当選1回

◆無風ムードから一転

支援者と握手を交わす候補者=袋井市高尾町の選挙事務所で

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 二〇〇七、一一年に続く三回連続の無投票が予想された中、告示一カ月前、「無投票阻止」を掲げる新人が名乗りを上げ、無風ムードから一転した。

 「六十八歳の新人だが、やる気は誰にも負けない」。告示後初の週末の午後、雨上がりのJR袋井駅前で、民主推薦の無所属新人水野憲司さん(68)が声を張り上げた。

 応援に駆けつけた民主党県連の細野豪志会長は「水野さんの心意気を感じて県政へ送り出してほしい」、地元選出の小山展弘衆院議員も「長年培った経営者の知恵、強さがいま必要だ」と力を込めた。

 水野さんは「私にはしがらみがない。既得権益にぶら下がっていてはダメだ。県政に新しい風を吹かせたい」と訴えを強める。連合静岡の支持を得て労組票をまとめ、非自民や無党派層の取り込みも狙う。

 「民主と自民の間にはさまれて大変厳しい」。袋井市北地区の住宅地で、無所属現職の山本貴史さん(45)が声をからした。袋井市議を四期十一年務め、県議に転身したが、県議選での戦いは初めてだ。

 「浜岡原発の再稼働は認めない」との立場を貫き、「県議会で、このことを言える数少ない議員」と主張する。県議会では三人の無所属議員でつくる会派「富士の会」に所属。遊説では、川勝平太知事との近さもアピールし、「県政とのパイプ役としてしっかり取り組む」と強調する。

 新顔の参入に、自民現職の渡瀬典幸さん(52)も「危機感を持っている」と警戒。前回は無投票で、山本さんと同様に初の選挙戦になる。「まだまだ名前が浸透しているわけではない。防災対策に力を入れてきた四年間の取り組みを訴え、真っ向勝負でやり抜く」ときっぱり。

 出陣式では「安心安全があって経済が動き、人が集まる。その根底は防災にある」とマイクを持つ手に力を込めた。地元選出の宮沢博行衆院議員は「渡瀬さんは県議会最大会派の要として頑張っている。私も全力で戦う」と支援を呼び掛けた。