静岡

浜松市・静岡市 通勤者が一言注文

2015年4月6日

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 浜松市と静岡市で十二日に投開票される市長選と市議選は、県内の他の自治体と無縁でない。今回の主な争点である行政区再編や人口減対策は、周辺の市町に影響を及ぼす。交通網整備や防災、産業振興など広域の課題も多いからだ。選挙権は持っていないけれど浜松市や静岡市に通勤している人たちに両政令市への願いを聞いてみた。

 「交通渋滞を緩和する政策をしてほしいなあ」とつぶやいたのは、掛川市の自宅から浜松市の職場まで車で通う会社員中村水根男(みねお)さん(66)。地元企業や商店に市が働き掛け、業種や地域によってマイカー通勤の時間帯を分散してほしいと考えている。

 湖西市のデザイナー疋田真巳(ひきだまみ)さん(37)は、職場のある浜松市で平日の大半を過ごす。浜松市長に望むのは「道路の渋滞解消や防潮堤の建設など、浜松市だけでなく、周辺の自治体も含めて交通や防災のことを考えてくれること」。公共駐車場がもっと増えればいいと望んでいる。

 サッカーやラグビーのジュビロ磐田を浜松市はもっと街おこしに活用するべきだと提案するのは、浜松市中区で働く磐田市の会社員沢村孝幸さん(40)。「浜松には徳川家康がある。もっとお互いに利用し合えば交流も広がるのでは」

 一方、静岡市に「若者が政治や社会に関わりやすくなる仕組みを県庁所在地が率先して作ってほしい」と注文するのは、静岡大教育学部(静岡市)で非常勤講師をしている浜松市の大野木龍太郎さん(58)。選挙に関心を抱かない若者が多いことを心配するからだ。

 焼津市から静岡市に通勤する会社員植田勝浩さん(51)は、さまざまな意見がある東静岡地区の市有地について「静岡の地場産業を全国に発信する拠点の開発を検討してもらいたい」。昨年末に静岡市葵区でフランス料理のレストランを開店した富士宮市の河崎芳範さん(36)は静岡市らしいインテリアを探すのに苦労したため「地元の民芸品や芸術家の作品を紹介するような場所があるといい」と求めている。