静岡

県議選 注目区を行く<1>

2015年4月6日

 県議選は三十三選挙区(定数六九)のうち、九選挙区十四人が無投票当選し、残る二十四選挙区で八十一人が五十五議席をめぐり、激しい選挙戦を繰り広げている。話題区を取り上げる。

湖西市(一…2) 

   蛭川麻季子 48 無新

   田内 浩之 38 無現 当選1回

◆若手現職に公募新人挑む

支援者を前に声を張り上げる候補者=湖西市鷲津で

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 前回選を四十一票差で辛勝した民主系の無所属現職田内浩之さん(38)に、自民党県連の公募に名乗りを上げた無所属新人の蛭川麻季子さん(48)が挑む。自民は八期続いた議席奪還をもくろむ。

 富士宮市出身で元熱海市議の蛭川さんにとって、悩みの種は地元色が薄いことだ。街頭では「静岡県生まれの静岡県育ちです」とアピール。三日の出陣式でも、選対本部長の衆院議員城内実さんが「湖西に骨を埋める覚悟で出馬した」と言葉に力を込めた。

 県議会は自民系の「自民改革会議」が議席の過半数を占め、政権も自民党が握っている。陣営幹部は「自民じゃないと国や県との太いパイプはつくれない」と強調。連立政権を組む公明党の市議も出陣式に駆けつけ、「公明党も一丸になって支援する」と話した。

 出馬表明が一月下旬と出遅れ、城内さんや市議らの人脈を足掛かりに支援者や企業を回ってきた。陣営は「田内さんの地盤を切り崩したい」と、旧湖西市地域での活動に力を入れる。

 田内さんは対照的に、中学一年の時に湖西市に移り住み、伯父は元市議長で市老人クラブ連合会長を務める。県議会では知事与党を標ぼうする第二会派の民主系「ふじのくに県議団」に所属し、出陣式では川勝平太知事との太いパイプをアピールした。

 前回選は告示の三カ月前に出馬表明し、十分な態勢が整わないまま選挙戦に突入した。この四年間、地区の祭りや自治会の会合などこまめに顔を出してきた。出陣式で「知力と体力を全て使って取り組んできた。四年前とは違う」と声を張り上げた。

 大手自動車メーカー・スズキの協力会社でつくる「スズキ協力協同組合」からも新たに推薦を取り付けた。湖西市は自動車部品工場が多く、同組合の仲介で市内の工場も回っている。陣営幹部は「着実に支援の輪は広がっている。一番の敵は油断」と気を引き締める。