静岡

浜松市議選 挑む58人<上>

2015年4月5日

 七選挙区に現職・元職・新人の計五十八人が立候補し、四十六の議席を競う浜松市議選。各候補の経歴や地盤、戦術、訴える政策はさまざまだ。各区の選挙戦の構図と顔ぶれを三回に分けて紹介する。

◆中区(定数一四…17) 若手新人・女性が続々

 七期、六期、五期のベテランら現職五人が出馬せず、代わって二、三十代を含む若手新人が「世代交代」を目指す。女性候補も現職・元職を含め六人と前回から倍に増え、計十七人がしのぎを削る。

 自民は、唯一公認の波多野亘(46)が市議会最大会派の幹事長を二年務めた実績を掲げ四期目を狙う。鳥井徳孝(63)は江東、アクト地区とスポーツ団体などを中心に支持を集め三期目をうかがう。

 新人では、須藤京子(60)が城北地区を地盤に元市教育委員長の経歴をアピール。学習塾を経営する和合地区在住の松本康夫(47)も教育充実を第一に訴える。宮島孝之(36)は地元衆院議員秘書時代の人脈を生かし、曳馬、駅南地区などを精力的に回る。

 鈴木康友市長に近い会派「創造浜松」は現職二人が出馬する。四選を狙う関イチロー(62)は富塚地区の票を固め、佐鳴湖の環境保全などを訴える。鈴木市長の元秘書で三選を目指す民主公認の田中照彦(48)は西、県居地区で支持を広げる。新人の佐野公任子(32)は県議に転身した創造浜松所属の前市議の協力を得て支持拡大を図る。

 連合系会派「市民クラブ」は現職が二人。市水道労組出身で六期目を狙う斉藤晴明(59)と本田労組出身で再選を目指す平間良明(46)が、他の労組とすみ分けて共存を図る。

 公明は二期目を目指す幸田恵里子(54)が障害者福祉、旅行会社の元浜松支店長だった新人の丸英之(52)は観光と、専門分野を生かした政策を訴える。

 前回二人を擁立した共産は、候補を四選を目指す小黒啓子(62)だけに絞り、必勝を期す。維新は中区では唯一の二十代になる元早大応援部主将の新人、山本遼太郎(28)を擁立した。

 市民団体にネットワークを持つ元職の鈴木恵(53)は東区から選挙区を移し、「しがらみのない政治」を強調。みんなの党で国政に出馬経験がある新人の鈴木唯記子(39)は、子育て支援充実を「一丁目一番地」に据える。新人の三田博史(41)は安倍政権の集団的自衛権行使容認に反対を唱えるため勤務先を辞め出馬した。

(文中敬称略、順不同)