静岡

地域に活力、私が県議選立候補者訴え

2015年4月4日

 「安全なまちの実現を」「地域の活性化を」。静岡県議選と浜松市議選が告示された三日、あいにくの雨空の下、県内各地で立候補者が一斉に走りだした。原発問題や防災への取り組み、二十四年ぶりに有権者の審判を仰ぐ選挙区など、それぞれ事情は異なるものの、住民の暮らしを第一に考えた熱い訴えが響いた。

◆掛川市選挙区 浜岡原発、対策は

 中部電力浜岡原発の地元四市の一つ、県議選の掛川市選挙区(定数二)は、前回選と同じ顔触れの三人が立候補。東日本大震災と福島第一原発事故を教訓にした防災対策に触れるなどして支持を訴えた。

 無所属元職の戸塚久美子さん(56)は、同市初馬の選挙事務所近くで出陣式に臨んだ。地元選出の国会議員や連合関係者らが応援に駆けつけ、「女性の視点で議会を活性化させる。みんなが幸せと感じる生活の実現を目指す」と、三百人を前に気勢を上げた。

 自民現職の増田享大さん(47)は、旧市町三カ所の事務所でそれぞれ出陣式。沿岸部の大東地区ではスーパー駐車場に三百人を集め、「南部地域の津波対策が最優先。今の時点で『原発行政』を進めてはいけない。住民と一緒に地域の未来像を考えたい」と力を込めた。

 自民現職の東堂陽一さん(59)は、同市南西郷の観光施設駐車場で第一声を上げた。石川嘉延元知事や松井三郎市長らが応援に駆けつけ、東堂さんは「平和、安全、活力のあるまちを目指す。浜岡原発は安全対策が第一」と危機管理の大切さを挙げた。

◆熱海市選挙区 市長と固い絆×国とのパイプ 

 二十四年ぶりの選挙戦となった県議選の熱海市選挙区(定数一)は、民主現職と自民新人の一騎打ち。第一声は、市長との絆を前面に出す現職と政党対決に持ち込みたい新人との思惑が交錯した。

 昨秋の市長選で保守系候補に圧勝した斉藤栄市長を支援した民主現職の橋本一実さん(50)。第一声で政党名は使わず「斉藤市長」を九回織りまぜて信頼関係を強調。「市長とともに日本一の観光温泉地にしなくてはならない」と声を張り上げた。

 自民新人の藤曲敬宏さん(48)は「国県と熱海を結ぶ命綱が細くなっている。国や県は自民が強い中、熱海にも自民のパイプが必要だ」とアピール。「自民」のフレーズを八回盛り込み、議席奪還を唱え「争点は熱海を取り戻す戦い」と訴えた。