静岡

県議選 党派が挑む<下>公明 無所属 共産

2015年4月1日

◆議席死守、奪還でしのぎ

 現職県議五人の再選を目指して組織固めを進める公明党。四年前の前回選とは異なり、政権与党に復帰して統一地方選を迎える。

 国会では自民と連立を組む公明だが、県政では、川勝平太知事と対決姿勢を取る自民と一線を画してきた。党県本部の蓮池章平幹事長は「私たちが県政と国政との橋渡し役を担う機会もあった。国と県の連携で、県民の福祉や防災の充実に取り組んできた実績を訴えたい」と強調する。

 三人の無所属議員でつくる会派「富士の会」も現職全員の再選が目標だ。中沢通訓代表は「政党に所属していれば、必ずしがらみがある。県民の思いを素直に受け止めて県政に反映できる、無所属議員の利点を訴えたい」と力を込める。

 独自の政策提言で川勝県政を支えてきた実績もアピールする。各議員が川勝知事を招いて県政報告会を開いており「少人数の会派だが、知事に率直な意見を伝えられることもわれわれの強みだと思う」と語る。

 二〇一二年の「静岡維新の会」結成に携わった無所属候補らには「反原発」をテーマにした連携の動きもある。現職の柏木健氏は「選挙戦では各地域の政策課題を訴えるが、当選すれば同じ考えを持つ仲間と力を合わせたい」と語り、焼津市や牧之原市・吉田町選挙区の新人・元職候補と協力する意向を示す。

 中沢、柏木両氏を含め、政党などの公認、推薦を受けない無所属候補は十三選挙区に計十五人が出馬する。

 県議会に議席を持たない共産党は、四人以上の定数の四選挙区に候補者を立て四年ぶりの県政復帰を目指す。昨年末の衆院選では、県関係の同党国会議員としては十四年ぶりに島津幸広氏が比例東海ブロックで当選した。国政の勢いを県議選につなげたい考えだ。

 党県委員会の渡辺浩美選対部長は「安倍政権により、集団的自衛権の行使容認や原発の再稼働、社会保障の切り捨てなどが進んでいる。地方の声を拾い上げ、暮らしの防波堤になる」と訴える。

(石原猛)