静岡

県議選 党派が挑む<中>民主

2015年3月31日

◆「知事与党」をアピール

 「自民を過半数割れに追い込む。厳しい戦いだが、可能性はまだ残されている」。民主党静岡県連の細野豪志会長は二月、記者会見で県議選の目標を示した。

 民主は四年前の前回統一選を政権与党として迎えた。翌年の総選挙で大敗し、三年が過ぎた今も党勢回復の道のりは遠い。今回の県議選には党公認の十七人、推薦の六人に加え、連合静岡が推薦する四人を擁立し、計二十七人の全員当選を目指す。

 党勢拡大の鍵となるのは県東部の一人区だ。昨年末の総選挙を小選挙区で勝ち抜いた細野氏と渡辺周氏のお膝元でもある。知名度の高い細野氏が自ら街頭に立つなどして、現有二議席の死守と、一つでも多くの議席奪取を目指す。

 民主は〇九年の知事選で川勝平太知事を擁立し、接戦を勝ち抜いた。民主系の県議二十人が所属する第二会派、ふじのくに県議団は「知事与党」を旗印にする。昨年末には、いじめの防止や地域文化の振興などを目指す六つの条例制定を掲げた公約集を発表。知事との二人三脚の県政づくりをアピールする。

 ただ自民が川勝知事との距離を縮める中、存在感を打ち出しづらい状況もある。「ノーサイド」を掲げる川勝知事は県議選でも特定の党派や候補者に肩入れしない考えで、具体的な支援は期待できない。急な総選挙の影響もあって候補者擁立が遅れ、厳しい戦いを強いられる選挙区もある。

 県連幹事長の岡本護県議は「現在の議席配分では、県議会のあらゆることが自民の一存で決まってしまう。川勝知事とともに積み重ねてきた四年間の成果を訴えて勢力を拡大し、知事の県政運営を支えられる立場にならなければならない」と語った。

(石原猛)