静岡

静岡市長選 候補者の横顔

2015年3月31日

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 四月十二日の投開票に向け、舌戦を繰り広げる静岡市長選の候補者たち。何を志し、どんな思いで市長選に臨んでいるのか。横顔を紹介する。

(上から届け出順)

 

 

◆記者目指した時も

田辺 信宏(たなべ・のぶひろ)さん 53歳 無現

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 「一期目の四年間で最も力を入れたのが防災と子育て支援」と言い切る。次の目標に、「ギアチェンジと加速」で自ら策定した市の第三次総合計画の推進を掲げる。

 子どものころは政治というより世間に興味があり「政治家が国民のために政治をしてくれているのだろうかという問題意識はあった」と話す。大学時代はマスメディアに関心を持ち、記者を目指したこともある。

 趣味は、知らない土地での文具店巡り。安価な物を含め百本はある万年筆が大のお気に入り。使い込むと「自分の癖がペン先に現れるのが魅力」という。

 職員に厳しく指示する一方で、市民が花見を楽しめるよう駿府城公園の芝生を守る柵を撤去したことを知り「自分が言ってきた市民目線の思いが伝わった」と涙を流す感傷的な一面も。妻と二人暮らし。葵区上足洗。

◆庶民の暮らし守る

松浦 敏夫(まつうら・としお)さん 62歳 無新

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 工業高校卒業後、袋メーカーで働き始めて間もなく、労災に遭った。機械に右手を挟まれ指三本を失った。

 暮らしと政治が直結していることを知り、医療や教育、戦争など社会問題に関心を持ったのは二十歳ごろだ。県商工団体連合会に勤務していた当時、消費者金融から高利の借金をした中小企業者の相談を受け、業者と渡り合ったことも。「自殺しなきゃと思ってきたけど、助かった」という言葉が身に染みた。

 中小企業者の厳しい実態を知るだけに、市長になったらの問いには「経済と庶民の暮らしを守る」と即答する。住宅や商店の改修助成制度創設などで地域循環型経済を目指す。

 掛川市民だからと出馬を悩んだが、所属団体の強い要請で心を決めた。八人の孫の多くは遠方に暮らす。「久しぶりに抱っこすると泣かれてね」と相好を崩す。掛川市富部。

◆「元気」と歯切れよく

高田 都子(たかた・ともこ)さん 62歳 無新

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 座右の銘を問うと「自分で作った『いつも元気、明日も元気。ずーっと元気』」と歯切れがいい。

 葵区の浅間通り商店街に生まれ、小学五年で東京に転居。高校は静岡に戻り、大学進学で再び関東に。理学部卒業後、理科教師の夢を手放し、故郷で兄と薬局を始めた。「一日の売り上げが数千円」の素人商売から、大手薬局チェーンに加わるまでに育てた。

 市内各地の商店街が活気を失ったと胸を痛める。七十万人を割りそうな人口減が理由の一つだと、大胆な「人口百万人都市」構想を打ち出す。目指すは二十年後の達成だ。自治体経営に企業家の手腕と哲学が生きると信じる。

 二十年前に脳卒中で倒れた実母(92)をヘルパーと交代で二十四時間体制で介護する。肌に触れて「大好きだよ」と伝え、一緒に童謡を聴く。葵区西草深町。