静岡

県議選 党派が挑む<上> 自民

2015年3月29日

◆1期生の勝敗 勢力左右

 統一地方選の前半戦が始まり、静岡県議選(定数六九)の告示も四月三日に迫った。各政党や会派はどのように選挙戦に臨むのかを探った。

 自民党県連は現職三十五人、新人六人を公認、元職一人と新人二人を推薦。現職と新人のいずれかの当選者を追加公認する伊豆市選挙区(定数一)も含めて全三十三選挙区に事実上、候補者を擁立した。県連の所属県議で構成する県議会最大会派、自民改革会議の杉山盛雄代表は、最低でも現有の三十八議席を維持し、四十議席超えを目指す考えだ。

 杉山氏は「一人区の勝敗が結果を大きく左右するので取りこぼしがないようにしたい」と十三ある一人区の戦いを最重視する。前回は無投票も含めて十勝三敗で、今回は前回に候補者を立てられなかった熱海市で新人を擁立。前回、四十一票差で惜敗した湖西市では、初めての候補者公募に応募した熱海市の女性前市議を立て、議席の上積みを目指す。一人区や情勢が芳しくない選挙区は杉山氏や県連三役がてこ入れを図る構えだ。

 二期目の当選を目指す一期生が十五人と会派の四割弱を占める。新人も八人擁立するため、若手の議席獲得が最大会派としての勢力維持の焦点となる。杉山氏は「地域の中でどれだけ認識されているかが大事だ。一人でも多くの人と会って、理解を求めていくしかない」と地道な活動を求める。

 自民は前回は野党だったにもかかわらず、過半数の議席を獲得。今回は政権与党としての戦いだが、杉山氏は「政権与党の善しあしがある」とおごらず、地方創生や県外企業の誘致促進などの政策実現を訴えていく方針だ。

 第二会派ふじのくに県議団は川勝平太知事との親密さをアピールするが、自民も知事の再選後、知事との関係を改善しつつある。杉山氏は「知事から依頼があれば県連三役を通じて党本部、政府に物を申すパターンをつくりたい」と話した。

(本田英寛)