静岡

静岡市長選 県都かじ取り3氏熱弁

2015年3月21日

 県都のかじ取り役を選ぶ静岡市長選(四月十二日投開票)は二十九日の告示まで一週間余り。十九日夜には駿河区のグランシップで立候補予定者による公開討論会があった。現職田辺信宏(53)、薬局会社役員高田都子(ともこ)(62)、前県商工団体連合会事務局長松浦敏夫(62)の三氏が訴えた政策を比べてみた(立候補表明順)。

◆10年後のビジョン

 田辺氏 国内のどこよりも健康的で歴史的な都市。人口七十万人を維持する。限られた期間と財源の中で優先順位をつけて決めなければならない。歴史資源や温暖な気候など長所を生かしたまちづくりをする。

 高田氏 今の市が元気ないのは人口がどんどん減っているから。人口が増えれば経済が良くなる。十年後に最低でも人口八十万人。二十年で百万人のビジョンがある。トップセールスで雇用も生み出していく。

 松浦氏 静岡は賃金が安く、働きやすいと思う人は40%。地域経済を支える中小事業者の仕事を増やし、賃金を上げて消費を増やす対策が必要。安心して働き、子どもを育てながら住み続けられる環境整備が重要。

◆人口減少対策

 田辺氏 六歳未満だった医療費助成を中三まで拡充させた。子どもを産み育てやすい街づくりが要素。待機児童対策の切り札が全国に先駆けた認定こども園移行への取り組みだ。

 高田氏 女性の市民税ゼロを打ち出している。予算は九十四億円で、(財源は)投資的経費四百四十五億円の組み替えや市役所の残業代三十九億円の見直しなどで確保できる。

 松浦氏 子ども医療費助成を十八歳まで拡大し、若者が民間アパートに住む際も助成する。第二子の保育料を半額、第三子は無料にし、低所得者の児童クラブの料金減免を拡充する。

◆東静岡の市有地活用

 田辺氏 二段構えで整備する。まずは文化・スポーツイベントを官民連携で創出する緑あふれるにぎわい広場にする。箱ものには何百億円という投資が必要。財政状況などを見て判断するが、タイミングは今ではない。

 高田氏 清水エスパルスの新サッカースタジアムとして利用することを提案する。ガンバ大阪の寄付によるスタジアム建設という好事例がある。経済効果を算出し、市民に情報開示して意見をもらい最終的に決めたい。

 松浦氏 サッカースタジアム、アリーナはどちらも市内にある施設と重複し無駄。市民全体の利益にかなうよう慎重な議論で決めなくては。防災に使ったり、緑地帯として活用したりするのがベスト。