静岡

静岡市長選 3陣営出そろい

2015年3月13日

 二十九日の告示が迫る静岡市長選(四月十二日投開票)に十二日、三人目の立候補予定者が名乗りを上げた。独自候補擁立を目指していた共産党が推薦する前静岡県商工団体連合会事務局長、松浦敏夫さん(62)。現職と新人二人による選挙戦の構図がほぼ固まった。

 「これがぎりぎりのタイミング。本当はもっと早く決めたかった」。市役所での出馬会見に同席した共産党静岡地区委員会の青野賢二委員長はこう話す。

 共産党は前回まで二回連続で静岡市長選の候補擁立を見送った。候補を立てないことで三候補の一人を水面下で支援する狙いもあった。今回は三回連続の独自候補なしは避けたいと、党県委員会や静岡民主商工会などでつくる団体が昨夏から候補者選びを進めてきた。

 一方、県議選は前回、同日選の市長選に候補を立てなかった分、力を注いだのに唯一の議席を失った。今回の議席復活は最重要課題となり、葵、駿河両区に候補を一人ずつ立てて挑む。

 県議選にも力が入るためか、十二年ぶりに立てる市長選の候補選びは難航した。数人に断られた上、昨年末の突然の衆院選で二カ月ほど、擁立作業はストップした。年明けに静岡市の経済界にも人脈のある松浦氏に出馬を打診し、告示まで一カ月を切る中での出馬表明にこぎ着けた。松浦氏は会見で「静岡市民ではなく、ためらいもしたが、地域の活力のため最近決意した」と語った。

 松浦氏の出馬表明を受け、田辺信宏市長(53)は「私が着実に基礎をつくってきたこと、その上に立ちギアチェンジして加速する第三次総合計画を一生懸命訴えていきたい」と話した。薬局会社役員高田都子(ともこ)氏(62)は「市民の選択肢が増えることは歓迎する」と受け止めた。