長野

茅野市長選終盤情勢

2015年4月24日

 現職と新人の一騎打ちとなった茅野市長選は、終盤に突入した。無所属現職で3選を目指す柳平千代一氏(61)が知名度と組織力を生かして安定した戦いを展開。無所属新人で元市議の野沢明夫氏(60)は草の根的な運動で転換を望む有権者の取り込みを急ぐ。26日の投開票に向けて舌戦は激しさを増しそうだ。

 前市長時代から継承される公民協働による市政運営の方向性は両氏とも同じ。大きな対立軸がなく、政治理念や手法、個別の政策を通して、市政トップにどちらがふさわしいかを問う選挙となった。

 柳平氏は一期目に策定した市民プラン(市第四次総合計画)を着実に実行し、公民協働のまちづくりを推進すると訴える。「安全、安心、確実」をスローガンに、自主防災組織の充実強化や豊富な水資源の有効活用などを公約に盛った。

 三月から各地区で車座集会を重ね、告示後は、工業や商業など業種別に支持者を集めた個人演説会を設定して組織の引き締めを図る。二十三日夜には大規模な総決起大会を開いた。陣営は「二期八年の堅実な行財政運営を評価してほしい」と支持を求める。

 野沢氏は「調整型から決断の市政へ」の転換を掲げ、リーダーシップを発揮した市政運営をアピールする。企業誘致を進める産業振興担当副市長の選任や市観光協会の法人化、一期目の退職金を教育基金に充てるなどの公約を打ち出した。

 告示前から各地区で集会を開き、知名度アップと政策の浸透を図ってきた。街頭演説を精力的にこなす一方、元市議や市職員OBらを中心とした支持基盤の広がりで、票の掘り起こしを目指す。陣営は「最後まで政策の違いを訴え、理解を求めていく」と意気込む。

 (中沢稔之)