長野

出馬届け出後、一転辞退辰野町議選

2015年4月22日

 二十一日に告示された辰野町議選で、無所属新人の会社役員男性(48)が立候補を届け出た後に辞退した。

 町選管によると、同町の選挙で同様に辞退した例は過去にない。県選管によると、一九九九年と二〇〇三年の統一地方選の町村議選で、ともに二人ずつ届け出後の辞退があったという。

 この男性は町外出身。「無投票の可能性があると聞き、避けないといけないと思った」のが出馬の動機だったといい「候補者が定数を超えたので辞退を決めた」と説明した。

 この日は男性を含め十七陣営が届け出のために町役場に集まり、定数一四を超えていたが、男性は届け出順の抽選に参加。一番を引き当てて拍手を受け、笑顔を見せた。「引っ込みがつかなくなった」ため、いったんは届け出たという。

 自身は辞退したものの「選挙戦になったのは良かった。取り組みたかった政策を当選した人に託したい」とこの男性。町内に住む無職男性(83)は「辞退があるなんて驚いた。せっかくの一番がもったいないね」と話した。

 (鈴鹿雄大)