長野

従来型の候補擁立難航駒ケ根市議選初の無投票

2015年4月21日

 十九日に告示された駒ケ根市議選は六十年の同市の歴史で初めての無投票という結果に終わった。市政に対する市民の関心は薄く、従来型の候補者擁立がうまくいかないケースも目立ったようだ。

 ある現職は、市民との意見交換で、市の財政状況が悪いことを理由に「選挙をせず節約した方がいい」という意見に接した。「市政に対して何を言いたいかを聞いても、反応があまりない。民主主義の危機かもしれない」

 ある新人は「市議もそうだが、今は自治会役員でもなり手が少ない。どちらも面倒な仕事と受け止められ、無関心が広がっている」と懸念する。

 市議の地盤を市内十六の行政区で分けると、今回は五行政区で候補者が不在だった。改選前と比べ、空白区は二つ増えている。

 早い段階で現職から不出馬の意向が伝えられた行政区では、隣接区も含めた後任探しが難航。告示が迫る中、別の新人から立候補の相談を受け、ギリギリで擁立にこぎ着けた。本人は「難しいと思っていたが、どんどん話が進んだ」と驚く。関係者によると、この新人が政治家を志向していることは把握していたが、地域代表としての市議候補には挙がっていなかったという。

 元市議は「若手や女性、地元出身でない人にはやらせたくないと考える長老格がいるのも、候補者が出にくい一因」と指摘している。

(小沢伸介)