長野

県議選一夜明け、再編の動き活発化

2015年4月14日

県議選後初の団会議で今後の方針を話し合う自民党県議団=県議会で

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 十二日に投開票された県議選は、自民が第一党を維持し、共産が躍進、民主は現職が落選して議席を大幅に減らすなど各党で明暗が分かれた。一夜明けた十三日は、会派構成を見据えた動きが早くも活発化した。

 公認候補二十人のうち十六人が当選した自民党県議団は団会議を開き、本郷一彦県議団長が「予想以上の大激戦だった。県議会の第一党として県政の指導的役割を果たしていかないといけない」と総括した。

 自民党県議団は当初、県議会の過半数となる三十議席を視野に入れていたが、難しい情勢だ。保守系の新人らに声を掛け、二十人以上を目指して働き掛けを続ける。

 公認の現職二人が落選し、現職一人と新人一人の当選にとどまった民主県連の倉田竜彦幹事長は「昨年末の衆院選でも明らかになった競り合いの弱さが響いた」と分析。「地方組織の立て直しから始めなければならない」と再出発を誓った。

 県議会で所属する「改革・新風」が自民党県議団に次ぐ二番目の勢力を維持するため、無所属新人への働き掛けを強める方針だ。

 共産は、過去最多の八議席を獲得して躍進した。長野市内の党県委員会であった会議で鮎沢聡委員長は「私たちの政策が有権者に響いた。命と暮らしを破壊する暴走政治に草の根から審判を下そうと大いに訴え、戦い抜いた」とねぎらった。

 各党が知事を支持する中、共産だけが対決姿勢を打ち出している。「県議会はオール与党で国に物が言えない。そんな県政を変えよう」と呼び掛けた。

 県民クラブ・公明は現職七人が当選し、無所属の新人議員の動向が焦点。自民党籍を持つ県議が所属する県政ながのは、会派存続と自民県議団との合流の双方を模索しており、流動的だ。

◆「車の両輪」力合わせて 阿部知事

 県議選の結果を受けて、阿部守一知事は十三日、報道陣の取材に応じ、「県議会と知事は車の両輪にも例えられるので、力を合わせて県民が安心して暮らせる県をつくりたい」と述べた。

 知事を支持する自民、民主が議席を減らし、対決姿勢を示す共産が躍進した結果に、「無所属も多いので、今後どのような会派構成になるのか関心を持って見ていきたい」と話すにとどめた。

 投票率が48・92%と過去最低を更新し、初めて50%を下回ったことには「私も問題意識を持っている。県民が身近に感じられ、参加しやすい県政運営を心掛けたい」と述べた。

 議会との関係では「かつての県政は知事と議会が対立して多くの関心を集めることがあったが、重要な政策課題は進まない。個々の政策では意見の異なることでも、一致させる努力をしていくことが大切だ」と語った。