長野

盛り上がらぬ政策論議

2015年4月13日

<解説>

 四年前の前回選は、阿部守一知事へのスタンスが争点の一つとなった。しかし、昨年の知事選で共産を除く各党が知事を支援した「オール与党」態勢で迎えた今回の県議選は、必然的に県政運営をめぐる議論は盛り上がらなかった。

 勢力の増減はあったものの当選者の顔触れを見ると、阿部知事と県議会は、引き続き良好な関係を続けるだろう。

 知事と議会は双方ともが選挙で選ばれ、民意を代表する車の両輪だ。知事が県全体の方向を示す役割を担うとすれば、各選挙区で選ばれた県議は、地域ごとの有権者の考えを代弁する存在だ。

 時には地域の考えが県の方針とねじれることもあるはずだ。そんな時こそ、県政と県民のつなぎ役として県議の力量が問われ、同時に存在価値を示すチャンスでもある。口角泡を飛ばして知事と県議が熱く議論することも必要だ。

 九日間の選挙中、県政の政策論議に火が付くことはなかった。このまま知事と議会が「オール与党」のなれ合いに陥らぬよう、互いに緊張感を持って向かい合ってほしい。 (小西数紀)