長野

<終盤情勢 県議選>(上)

2015年4月8日

 県議選は十二日の投開票に向け、十六選挙区の四十三議席をめぐり、立候補者七十一人が舌戦を繰り広げている。人口減少対策や雇用・産業、防災など論点はさまざま。各候補はどんな戦略で支持を訴えているのか、各区の情勢を探った。

(敬称略)

■飯田市区(定数三)

小島康晴59無現(2)

小池清 57自現(3)

水野力夫35共新

古田芙士74自現(7)

河野勉 61無新

 強い後援会組織を持つ現職三人を新人二人が追う展開。低投票率になるほど混戦になりそうだ。

 小島は市街地を中心とした地盤固めに全力を傾ける。連日、地区単位のミニ集会を開き、二期八年の実績や政策をアピールする。

 小池はリニア中央新幹線による活性化や中北信地域との格差是正を主張。人口の多い地区で遊説を展開し、支持拡大を目指す。

 昨年の衆院選で知名度を上げた水野は子どもの医療費の窓口無料化など子育て、福祉の充実を強調。支持なし層への浸透を図る。

 八選を目指す古田は七期二十八年の経験と県への発言力をアピール。強固な支持基盤に加え、若年層への食い込みも図る。

 出馬表明が遅れた河野は知名度向上が課題。農業振興や若者の政治参加を訴えの柱に置き、中山間地域での遊説に力を入れる。

■下伊那郡区(定数二)

児島博司65無新

吉川彰一44無現(2)

高橋岑俊70自現(1)

 郡北部出身の現職二人の地盤を切り崩そうと、南部から新人が追い上げる三つどもえの戦い。

 児島は積極的に北部にも食い込み、知名度アップを図る。企業誘致による経済基盤の確立などを唱える。

 吉川は地元高森町周辺の票固めに躍起。病に倒れたが、健康をアピール。周産期医療の充実などを訴える。

 高橋は全域に広がる強固な後援会組織をバックに南部への拡大を狙う。第二県庁の早期実現などを主張する。

■上伊那郡区(定数二)

寺平秀行 40民新

矢ケ崎克彦72無新

小林伸陽 71共現(4)

垣内基良 65自現(3)

 現職二人に地方政界経験のある新人二人が挑む混戦。四陣営の地盤がある北部や無党派層の票をめぐり最終盤までもつれそうだ。

 寺平は若さを武器にして精力的に街頭演説をこなす。党支持層の応援を受け、若年層や浮動票獲得を狙う。

 矢ケ崎は全域での遊説と街頭演説を展開。党公認三候補との違いを訴え、幅広い層を取り込もうと息巻く。

 小林は町村単位の集会に重きを置く。全域を巡り、党支持の票を固めながら政権の批判票取り込みを図る。

 垣内は全域にある後援会組織を軸に活動。保守層や地元辰野町民など、支持拡大に向け追い込みをかける。

■岡谷市・下諏訪町区(定数二)

小松稔 62自現(2)

武井茂夫46無新

毛利栄子63共元(2)

浜章吉 67無新

 四人がほぼ互角の戦いを繰り広げ、最終盤まで予断を許さない情勢。支持政党を持たない有権者や若者層をいかに取り込めるかが鍵を握りそうだ。

 小松はこれまで以上に街宣や集会を重ね、現職の実績や地方創生実現などを訴え、懸命に足場固めをする。

 武井は労組などの支援も受けながら、若さと行動力をアピール。子育て世代を中心に支援の輪を広げる。

 毛利は一日十五〜二十回の街頭演説を精力的にこなし、子ども医療費の窓口無料化の実現などを訴える。

 浜は行政、政治経験が豊かな市民派、即戦力を前面に訴える。きめ細かな街宣、電話作戦で支持拡大を図る。

■諏訪市区(定数一)

今井愛郎45無新

森山広 55無新

横山真 43無新

 市議経験者による三つどもえの戦い。出足が早かった横山を今井、森山が激しく追う。

 リベラルな立場を強調する今井は街頭演説に力を入れ、教育の充実を訴えて子育て世代への浸透を狙う。

 森山は諏訪圏域の活性化と行動力をアピール。草刈り場の旧村部に入り込み、票の掘り起こしを急ぐ。

 横山はインフラ整備の推進などを掲げ、自民の推薦で厚みを増した支持基盤を生かして広がりを目指す。

 【注】届け出順。投票日基準の年齢、選管届け出の党派、現元新の別、当選回数の丸数字−の順▽党派名の略称は、自=自民、民=民主、維=維新、公=公明、共=共産、社=社民、生=生活、次=次世代、陽=太陽、気=元気、改=新党改革、減=減税日本、愛=日本一愛知の会、大=大阪維新の会、諸=諸派、無=無所属

 ※政党要件を満たす政党と、地域政党で代表または党首が都道府県の知事か政令市の市長である政治団体の他は諸派