長野

三者三様、混戦の様相県議選下伊那郡区

2015年4月7日

獅子舞を練習している地元住民らに駆け寄り、握手を交わす候補者=豊丘村で

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 飯田市を間に挟み、北の五町村と南の八町村に分かれる下伊那郡区(定数二)。立候補しているのは南部を地盤とする無所属の新人児島博司さん(65)と、ともに北部出身で無所属の吉川彰一さん(44)、自民の高橋岑俊さん(70)の現職二人。三者三様の選挙戦は、中盤に入っても混戦の様相だ。

 「地方再生や人口減少対策には実行力と行動力が必要になってくる」。児島さんは旅館経営の手腕をアピールし、リニア時代を見据えた企業誘致や地域間格差の是正などを訴える。

 選対本部では「準備期間が短く出遅れ感は否めない」としながらも、北部に比べ有権者数が少ない南部から県議を出す必要性を強調。「とにかく顔と名前を覚えてもらいたい」と広い郡内でこまめに遊説して追い上げを図る。

 三選を目指す民主推薦の吉川さんは一月末に脳出血で倒れ、三月末に退院したばかり。一時は出馬が危ぶまれたが、後援会は二月末に支援することを決めた。

 準備が遅れたことから、選対幹部は「まさにぶっつけ本番」と語るが、連合長野のほか前回戦った社民からも支持を取り付けた。つえを突きながらの街頭演説では「安心して出産できることが少子化対策の要だ」と周産期医療の充実や若者の政治参加を訴える。

 「第二県庁が実現すれば(県の)北高南低は解消される」。前回初出馬ながらトップ当選した高橋さんは、宮下一郎財務副大臣と吉田博美参院議員の後援会が全面的に後押し。公明の支持も受け、郡内の十三町村すべてに支部を構える。

 態勢は万全ともみえるが、同じ保守系の児島さんの出馬に「票が割れるかもしれない」と選対幹部は危機感を抱く。「北部以外でいかに票を取れるかで優劣がつく」と活動に余念がない。

(石川由佳理)