長野

構図変化、厳しい戦い県議選塩尻市区

2015年4月6日

有権者に駆け寄って支持を訴える候補者=塩尻市内で

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 現職一人と元職一人、新人二人の計四人で二議席を争う激戦となっている塩尻市区。三期務め、いずれもトップ当選してきた無所属の小松千万蔵さん(72)が今期で引退し、選挙構図が大きく変わった。どの候補も「厳しい戦い」と声をそろえる。

 再選を目指す民主現職の続木幹夫さん(57)は「唯一の現職」を掲げ、大型店などを回って街頭演説し「知事や市長との信頼関係をつくってきた。県と地元をきちんと結べるパイプ役は私しかいない」と声を張り上げる。

 農山村の再生を強調し「林業をきっかけに信州発の事業を打ち出し、国からの押しつけではない真の地方創生を進めたい」と訴える。

 無所属新人で元市議の青柳充茂さん(62)は選挙カーで市全域をくまなく巡回する。手を振る有権者には駆け寄って「塩尻を守り続けるのが使命。悩みは県に届けて必ず解決する」と支持を呼び掛けた。

 街頭演説では銀行マンや市議三期の経験を基に「塩尻を知り尽くしている。民間の視点を県政に生かし、移住したくなる街をつくる」と力説する。

 前回選で失った議席奪還を目指す共産元職の備前光正さん(52)。「医療、福祉で泣かない県をつくるために三たび県会へ」と声をからし、「塩尻で出産できる医療環境の整備」などを掲げる。大型店前での街頭演説では党所属の国会議員も応援に入り、安倍政権の農政や防衛、福祉政策などを強く批判。安倍政権の批判票の取り込みも狙う。

 「この地域の未来のために全力を注ぐ」。無所属新人で会社社長の丸山大輔さん(40)は中心商店街で街頭演説し、力説した。若さも前面に出し「少子化対策と子育て世代への支援に力を入れる」とアピールする。

 小松さんの後継指名を受け、小松さんの後援会の支援のほか、自民の推薦と公明の支持を取り付けての組織戦を展開する。

 (一ノ瀬千広、成田嵩憲)