長野

南北で4候補激戦県議選上伊那郡区

2015年4月5日

4人の激戦が繰り広げられている上伊那郡区。遊説中に出くわした2陣営=中川村で

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 民主の寺平秀行さん(40)、無所属の矢ケ崎克彦さん(72)の新人二人が、共産の小林伸陽さん(71)、自民の垣内基良さん(65)という現職二人に挑む構図となった上伊那郡区(定数二)。寺平さんと小林さんは箕輪町が地盤。一方、矢ケ崎さんと垣内さんは辰野町が地盤で、十八年前の町長選を戦った因縁の間柄だ。混戦との見方がある中で、候補者の出ていない郡南部の支持拡大を図りながら、確実な地元票獲得に奔走している。

 元箕輪町議の寺平さんは四日午前、辰野町のJR辰野駅前で街頭演説。「若い世代に雇用の場を」などと訴え掛け、演説後は有権者に素早く駆け寄って握手を求めた。

 選対幹部は「若さとフットワークの軽さを生かした戦い」を展開していく考え。応援には羽田雄一郎参院議員が駆けつけ、ブログで遊説日程を公開するなどネットを駆使している。

 矢ケ崎さんは前辰野町長。三日は郡内全域を、四日は同町内に絞って回り、街頭演説を交えて支持を求めた。

 「超党派の県民党の立場で頑張る」。遊説では政党の公認を受けた他の三人との違いをアピールし、赤羽区民センター駐車場では「元気なうちは上伊那郡に身をささげる」とも。飯島勲・内閣官房参与が個人演説会に訪れることも強調する。

 県議四期のベテラン、小林さんは政権批判を交え、「戦争ができる国にしてはいけない」と声をからす。北部を回った三日の遊説では「平和を訴える唯一の候補者」と繰り返した。

 共産党上伊那地区委員会によると、都道府県議選の定数一〜二人の選挙区で議席を守り続けるところは少ないといい、市田忠義党副委員長も個人演説会に足を運ぶ予定だ。

 元辰野町長の垣内さんは三日の出陣式で「負けられない戦い」と気勢をあげた。郡内全域を巡り、各町村に設けた事務所前で支持を呼び掛けた。

 四日も全域を巡回し、街頭演説を展開。人口減少対策や防災強化を重点課題として訴えた。四日午前は宮下一郎財務副大臣が選挙カーに同乗。中川村と飯島町を巡り、「伊那谷の活性化を」と訴えた。 

(鈴鹿雄大、近藤隆尚)