長野

<ご当地の課題 県議選>(下)伊那谷 出馬予定15人に質問

2015年3月31日

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 二〇二七年のリニア中央新幹線開業に向け、沿線では今年から本格的な工事が始まる。開通すれば飯田市の中間駅まで東京から四十五分と、南信の交通事情は大きく変わる。とはいえ、待っているだけで地域の活性化は望めない。開業までの十二年間、何に力を入れて取り組むべきか。上伊那、下伊那各郡区と駒ケ根、伊那、飯田各市区の計五選挙区十五人に尋ねた。

 ■地域活性化訴え

 観光振興を挙げたのは古田芙士氏(飯田市)、吉川彰一氏(下伊那郡)ら複数回答した人も含めて七人。古田氏は「美しい自然とおいしい果物を生かした観光を進めるため、遅れている道路の整備」が必要と主張している。河野勉氏(飯田市)は「ハード面ばかりが出ているが、地域社会としてのソフト面が必要」と訴える。

 道路整備は垣内基良(上伊那郡)、矢ケ崎克彦(同)、酒井茂(伊那市)各氏ら七人。垣内氏は「国道153号などの道路整備でリニアを利用しやすくする必要がある」と訴えた。矢ケ崎氏は、国道、バイパス整備などの「国への働き掛けが欠かせない」。酒井氏は「県がリーダーシップを取って計画的整備を進める」とした。

 移住定住は「自然、長寿など信州ならではの産業の活性化」を掲げた寺平秀行氏(上伊那郡)ら五人が回答した。

 企業誘致は、児島博司氏(下伊那郡)ら五人、防災対策は四人が答えた。

 ■懸念の声も

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 佐々木祥二(駒ケ根市)、向山公人(伊那市)、小島康晴(飯田市)、小池清(同)の各氏はすべての項目が重要と回答。小池氏は、さらにその他の政策として「政府機能、研究機関の誘致、国際的山岳観光の開発」を提案した。向山氏は「地震、リニアを念頭に地域の声を反映する計画を策定」することが必要と回答した。佐々木氏は県が掲げるリニアバレー構想を実現するため「国の支援を受け、市町村と協働する」ことの重要性を挙げた。

 その他の政策を挙げたのは、政府機能のバックアップ基地誘致などを答えた高橋岑俊氏(下伊那郡)と、水野力夫氏(飯田市)、小林伸陽氏(上伊那郡)ら計四人。水野氏は「住民に説明を行い、納得と合意がなければ事業を進めるべきではない」と回答した。