長野

<ご当地の課題 県議選>(中)伊那谷、木曽 出馬予定17人に質問

2015年3月30日

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 南北に長い長野県は県庁所在地が北に位置し過ぎているという議論がある。県庁から遠い県南部では距離を解消しようと「第二県庁」構想が持ち上がっている。まだまだアイデア段階だが、もし構想が実現したら…。上伊那、下伊那、木曽の三郡区と飯田、伊那、駒ケ根の三市区の六選挙区に出馬を予定する十七人に考えを聞いた。

 ■賛成が7割

 第二県庁構想をめぐっては県南部の現職県議が昨年、研究会を発足させて愛知県豊橋市の東三河県庁を視察した。会の構想では、県南部に県庁と同等の機能を持つ第二県庁を設置し、本庁にしかない許認可業務を持たせ、本庁に集中する会議も開催するという。

 構想への賛否を尋ねると十七人のうち十二人が賛成した。反対は一人。どちらとも言えないが四人だった。

 高橋岑俊氏(下伊那郡)は「副知事を常駐させ、本庁と同機能を持たせる」と構想を描く。小島康晴氏(飯田市)は「広域的な課題を総合的に調整する」役目を期待。賛成した人の多くは県庁と同等の機能を持った第二県庁を想定した。

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 こうした構想に対し、阿部守一知事は別の方策で分権化を進めようとしている。昨年の知事選で現在の地方事務所の権限を強化する「地域振興局」の設置を掲げ、四月から二人態勢となる副知事には各地方事務所ごとに担当を持たせている。

 構想に反対する児島博司氏(下伊那郡)は「地方事務所の機能充実で代用すべきだ」と主張する。

 賛否を選ばなかった三浦茂樹氏(木曽郡)は「松本に県庁を移転させるべきだ」と主張。吉川彰一氏(下伊那郡)は構想に中立的な立場から「分権議論を喚起する可能性がある」と懸念し、矢ケ崎克彦氏(上伊那郡)、垣内基良氏(同)は、議論が不十分などとした。

 ■どう変わるか

 もし、第二県庁が設置されたら地域がどう変わるかという問いでは、佐々木祥二氏(駒ケ根市)が「県民の利便性が向上し、民意が反映される」。小林伸陽氏(上伊那郡)は「住民が県政を身近に感じられ、地域振興の政策立案が前進する」と期待した。村上淳氏(木曽郡)は「県政は県庁で変わるので(第二県庁は)中南信に必要」と訴えた。