長野

<ご当地の課題 県議選>(上)松本、塩尻 出馬予定12人に質問

2015年3月29日

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 二〇二七年のリニア中央新幹線の開業で、南信地域が首都圏や中京圏と短時間で結ばれる。東北信地域も新幹線延伸で北陸地方との距離感がぐっと近づく中、中信地域の高速交通網整備の遅れが際だつ。県議選松本市区、塩尻市区に出馬する計十二人の候補予定者に、今後の交通政策として最も重視すべき施策を尋ねた。

■インフラ整備

 松本空港の便数増を選んだのは四氏。現在、札幌と福岡への定期便があり、二十九日から福岡便は一日二往復に増える。夏季限定で大阪便も運航されるが、県は便数増を目指している。

 首都圏に向かう特急「あずさ」や名古屋方面の「しなの」の高速化も三氏が選んだ。あずさは松本から東京まで三時間程度。東京近郊の過密ダイヤが高速化のネックだ。

 篠ノ井線の複線化は一氏。単線区間では特急「しなの」などが待ち合わせ停車や減速を強いられており、複線化の要望は根強い。中部縦貫道実現も一氏が選択。松本市から岐阜県高山市を抜け、最終的に福井県までつながる自動車専用道路。道路の一部となる松本波田道路は一定区間で道路幅を決める測量が始まっている。

 このほか、両角氏は、在来線の利便性向上。中川博司氏は三才山トンネルの無料化。青柳氏は、選択肢すべての取り組みが必要と答えた。

■延伸効果呼び込むには

 北陸新幹線延伸効果を中信地域に呼び込むにはどんな施策に力を入れるべきか尋ねたところ、十二人中七人が観光振興と答えた。

 本郷氏は「松本城の世界遺産登録やJ1松本山雅、セイジオザワ松本フェスティバルなどの発信力を高める戦略を構築する」と答えた。備前氏も「アルプスと果樹、ワインを結び付けた観光や、健康をキーワードにした滞在型観光を目指す」と訴える。このほかの二人も観光振興を含めた複数の政策の実現を選んだ。

 経済振興を挙げた下沢氏は「松本−品川間を二時間で結ぶため、山梨のリニア駅と甲府駅のシャトルバスをあずさの発着に合わせる」と提案する。

 その他を選んだ手塚氏は「県庁観光部を松本に移転し、点と点だった観光を県全体で統括する」とアイデアを出した。百瀬氏は渋滞解消のための交通施策の充実を挙げた。

   ■  ■

 四月三日告示、十二日投開票の県議選が迫ってきた。立候補予定者は地域のさまざまな課題にどんなスタンスで臨もうと考えているのか。中南信地域の立候補予定者を対象にした「ご当地の課題」へのアンケート結果を三回に分けて紹介する。

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