長野

<党派の動き>(上)自民、公明

2015年3月12日

「地方で勝つことが党の戦い」と力を込める自民の後藤県連会長=1月、長野市内で

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 四月十二日の県議選投開票まで一カ月。昨年八月に再選した阿部守一知事は、共産以外の主要政党の支援を取り付け、県政をめぐる政党の情勢は四年前の前回選から大きく変わった。主要政党の動きを二回に分けて紹介する。

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 「統一地方選で自民が勝つことが党にとっての戦いだ」

 一月に長野市内で開かれた自民県連の選対会議の席で、後藤茂之会長は四月の県議選に向けて、こう出席者にげきを飛ばした。

 県議選には、党県議団の現職十八人に加え、新人一人と他会派の現職一人の計二十人を公認。国が掲げる地方創生と歩調を合わせて、それぞれの地元で景気浮揚と雇用の充実を訴える方針だ。

 後藤会長は「県議団二十人以上」を目標としたが、県連は選挙後の会派再編をにらみ、二十九人超の過半数も視野に入れる。萩原清県連政調会長は「選挙後に編成される会派に一人でも多くの人に入ってもらいたい」と期待する。

 前向きな発言の裏には四年前との環境の変化がある。一一年の県議選は、前年の知事選で県連が支援した候補が阿部知事に敗れた後にあり、国政、県政ともに野党で戦った。

 しかし、今回は真逆の立場で迎える。昨年八月の知事選で阿部知事を推薦し、共産を除く「オール与党態勢」の主軸として阿部県政を支える。国政でも、一二年衆院選で政権を奪還した後、一三年参院選、一四年衆院選で続けて勝利し、盤石にも見える。

 ただ、全国的に自民支持が安定する中、県内は一四年衆院選の自民の比例得票率が26・07%と、全国で下から三番目だった。県内五つの小選挙区独占を狙ったが、前回と同じ1、3区で敗れ、党勢の拡大は道半ばだ。

 萩原政調会長は「長野は自民票と個人票が一致しないところがある。党支持者だけで選挙するのではないので、幅広く個人票を集めたい」と意気込む。

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 公明は県議会で「県民クラブ・公明」として党公認以外の議員を含めた計九人で会派をつくる。県本部は県議選に現職三人を擁立し、二十人程度を推薦する見込みだ。

 過去の衆院選、参院選ともに県内で十万票前後を獲得し、安定した結果を残すが、党公認現職三人のうち二人は一期目。太田昌孝県本部代表は「自力で歩けるよう次につながる戦いをしてほしい。県連としては防災面や福祉、教育、景気回復などを中心に訴えたい」と先を見据える。