三重

前葉さん「大きな責任」津、再選に思い新た

2015年4月20日

無投票での再選が決まり支持者と握手する前葉泰幸さん=津市で

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 壇上の壁につるした二本の垂れ幕を引っ張ると、「もっとできること実行します!!」「合併して良かったと思える津市に!」とのメッセージが現れた。午後五時すぎに事務所近くの津市東丸之内の駐車場で当選報告会があり、前葉さんは笑顔の中にも緊張した表情で「大きな責任を感じる。新たな決意で仕事をする」と語った。

 中学生の医療費と高齢者のコミュニティバス代の無料化など、十の目標を掲げて立候補した。四年間でハード面の整備を着実に進め「一定の方向性が見えるようになった」と強調。次の四年間では子育てや福祉、地域経済の活性化に重点を置き、ソフト面の充実を図ると訴えた。

 この日一日で、旧十市町村を回って街頭演説を繰り広げた。報告会では約三百人の支援者らと喜び合う一方、合併後初の無投票は「狙ったものではなく、皆さまの大きなご支援の結果」と述べた。自治会連合会や商工会議所など約三百団体から推薦を受けたことに触れ「二期目に向けて『しっかりやれよ』と背中を押していただいた」と感謝した。

 (畑間香織)

◆4年間の実績に一定評価

<解説>

 新人三人が激突した前回選から一転、前葉さんが二〇〇六年の合併後初の無投票で再選を果たした。対抗馬の出現を抑えた事実は、四年間の実績が一定の評価を得た結果とも言えそうだ。

 市が合併時、市民に約束した事業を着実に進めた。新最終処分場・リサイクルセンターの着工や新斎場の完成などを実現。入札不調が続いた市産業・スポーツセンターも昨年末に四回目で落札。オープンが一年半遅れるが、他に目立つ失点はなく、堅実に市政のかじ取りをしてきた。

 市は合併十年を迎える来年度から、交付税が段階的に縮小される「離陸」の時期に入る。前葉さんは四年間で市の貯金の財政調整基金を大幅に増やした実績から「財政を健全化させた」と今後への自信ものぞかせる。

 中心市街地の活性化や人口減少への対応など課題は待ったなし。市政運営の手腕に加え、県都の将来像を市民にどう示していくかが問われる二期目となる。

 (畑間香織)