三重

19日に2市長選と3市議選告示

2015年4月18日

 統一選後半戦の幕開けとして十九日告示される市長選、市議選で、県内では津、鈴鹿の二市長選のほか四日市、鈴鹿、鳥羽の三市議選がスタートする。二十一日には町長選と町議選が告示され、ともに二十六日投開票される。

◆津市長選 37年ぶり無投票の公算大

 津市長選は、無所属で再選を目指す現職の前葉泰幸氏(53)のほかに立候補の動きはない。無所属の新人三氏が激戦を繰り広げた四年前の前回選とは一転、三十七年ぶりの無投票となる公算が大きくなっている。

 前葉氏は、前回推薦を受けた民主・連合系の地域政党「新政みえ」のほか、今回は自民、民主、維新、公明の各党からも推薦を受けた。政党以外では、企業の組合や建設業組合支部、医師会、自治会など約二百八十団体が推薦するなど幅広い支持基盤を得た。

 一方、共産党津市委員会は十三日に候補者の擁立を断念したと表明した。

 辻正敏後援会長(63)は集会や街宣の予定をすでに組んでいると言い、「選挙戦があるつもりで準備は進めている」と話した。

 (畑間香織)

◆鈴鹿市長選 現新一騎打ちの見通し

 鈴鹿市長選は、いずれも無所属で再選を目指す現職の末松則子氏(44)と、元市議の新人杉本信之氏(57)の一騎打ちになる見通し。前回、中部九県初の女性市長として当選した末松氏の一期四年間への評価が、事実上の争点と言える。

 前回は政党色を出さなかった末松氏は今回、自民と民主から推薦を得た。地元企業や業界団体、自治会など幅広い団体の支持も取り付け地盤を固めた。子育て支援、防災対策などをはじめ、市政運営の継続を強調する。

 前回に続く二度目の挑戦となる杉本氏は、ボランティアや市民活動をする有志らの勝手連が活動を支えている。農業を軸にした食育、地産地消の推進、産業育成策などを中心に訴え、支持の拡大を目指す。

 (鈴木智重)

◆鈴鹿市長選で討論会

公開討論会で意見を述べ合う末松則子さん(右)と杉本信之さん=鈴鹿市民会館で

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 十九日告示、二十六日投開票の鈴鹿市長選を前に、立候補を予定する現職と新人の二人による公開討論会が十七日夜、鈴鹿市民会館で開かれた。

 鈴鹿青年会議所が主催。末松則子さん、杉本信之さんの二人が参加。非政府組織(NGO)リンカーン・フォーラム事務局長で、三重大副学長の児玉克哉さんが司会を務め、都市整備や地域活性化などを主題に意見を述べ合った。

 少子高齢化について、末松さんは「若いとされる鈴鹿でも、南部地域の一部で過疎化があり、危機感がある」とし、子育て支援の総合センター設置などの構想を披露。杉本さんは「元気なお年寄りが増えれば、高齢化が進んでも地域は活性化できる」とし、高齢者の生きがいや地域での役割をつくる支援が重要だと強調した。

 観光や産業の振興では、末松さんは、工場見学など産業観光の充実や、物流、食品関連といった新産業の誘致などを主張。杉本さんは農産物の生産と加工、料理の提供などを組み合わせた六次産業化で、人を呼び込む仕組みを訴えた。

 (鈴木智重)

◆四日市市議選 34議席を46人が争う

 今回から定数が二減の三四に対し、前回より二人多い四十六人が立候補を予定しており、激しい戦いが予想される。

 内訳は現職二十八人、新人十八人。党派別では自民三人、民主三人、公明五人、共産三人、無所属三十二人。

 現職は欠員一に加えて二人が県議に転出し、五人が引退する。自民は公認と推薦を合わせると十一人で、前回から倍増。民主は公認が大幅に減った。公明は現有五議席の維持、共産は前回二人からの上積みを目指す。

 子育て支援や教育、福祉、防災、産業振興などをめぐって主張が繰り広げられそうだ。

 (吉岡雅幸)

◆鈴鹿市議選 新人11人で激戦予想

 定数三二に対し、前回より三人多い三十八人が立候補を予定する。内訳は現職が二十七人、新人が十一人。政党、労組、地域自治会などの地盤を持つ新人も多く、大激戦となりそうだ。

 党派別では自民三人、民主三人、公明三人、共産三人、無所属二十六人。自民は前回より二人、民主と共産はそれぞれ一人ずつ公認を増やした。

 鈴鹿市はリーマン・ショックや東日本大震災以降、税収の伸び悩みが続く。ただ、世論を二分するような大きな争点がなく、地域活性化や子育て、少子高齢化、防災などの課題に向けた訴えが目立つ。

 (鈴木智重)

◆鳥羽市議選 地域活性化策が争点に

 定数一四に対し、十七人が立候補の準備を進めている。現職五人が表立った後継指名のないまま引退を決め、元職二人と三十二〜六十六歳の新人六人が出馬を表明した。党派別では維新、公明、共産が各一人、無所属十四人。

 市は少子高齢化や過疎化に直面。基幹産業の観光や漁業にも好転の兆しがみられない中で、各候補者の地域活性化への政策が争点となりそうだ。

 離島四島のうち三島で立候補予定者はいない。陸部の農村地域からの出馬が増え、地縁血縁を頼りに地区を越えた票の奪い合いが予想される。

 (中谷秀樹)