三重

落胆自民、他は揚々前半戦各党総括

2015年4月14日

 県内の各党幹部は十三日、統一地方選前半戦の県議選、知事選を終えて県庁で会見し、明暗を分けたそれぞれの戦いぶりを総括した。

 全国的に民主が苦戦する中、最大勢力を維持した民主・連合系の地域政党「新政みえ」の中村進一代表は「今後の県議会改革を進める態勢を組みたい。非自民系の会派とも連携を模索する」と意気揚々。二議席を奪還した共産党県委員会の大嶽隆司委員長も「投票率は落ちたが、共産は前回より得票を増やした。県政をチェックする本来の役割を果たす」と勇んだ。

 手堅く二議席を得た公明党県本部の中川康洋代表も「すべての目標を完遂させた」とにっこり。推薦候補全員が当選した社民党県連の佐藤正明代表代行も「党の勢いを取り戻したい」と意気込んだ。

 過半数獲得に失敗、逆に改選前から二議席を減らした自民党県連の水谷隆幹事長は「厳しいとみられた選挙区をすべて落とした」と肩を落とし、敗因の一つに落選した現職の活動不足を指摘。今後は引き続き公明と連携を続ける意向を示した。

 各党は、鈴木英敬氏が圧勝した知事選をめぐっても応酬を繰り広げた。推薦した自民の水谷氏は「四年間の実績があり、人気も高く予想通りの結果」と評価したが、新政みえが鈴木さんを推薦したことに「目に見えた応援はなく、鈴木さんの人気を生かそうとした新政みえの作戦勝ちだ。民主党代表が『考え方が違う』と言っているのに、普通は推薦しない」と皮肉った。

 共産の大嶽氏も新政みえの対応に「風向き次第で民主色を隠して戦うのはいかがなものか」とちくり。こうした批判に対し、新政みえの中村氏は「無投票当選などの県議が激戦区の応援に入り、知事選には直接関われなかった。知事と政策の方向性が重なる部分を強調して訴えたので、そうした点で応援になった」と反論した。

 知事選、県議選ともに投票率が低迷した今回。知事選で初めて候補擁立を断念した民主党県連の芝博一代表は「有権者の選択肢がなくなったのは事実。その分で投票率が下がったと思う」と影響を認めつつも、県議選の結果を「県内では民主への逆風は少なかったと感じた」と総括し、来夏の参院選に向けて引き続き党勢回復に努める考えを示した。

 (滝田健司、畑間香織)