三重

新政みえ、最大勢力守る県議会、過半数の会派なし

2015年4月14日

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 十二日の県議選で決まった五十一議席。民主・連合系の「新政みえ」が、現有議席と同じ二十三人の当選で、十年間守ってきた最大勢力の座を維持した。一方、自民勢は擁立した二十六人中五人が落選し、改選前から二議席減となる二十一人と“惨敗”を喫した。今後の議会運営は新政みえが主導権を握りそうだが、改選前と同じく、どの勢力も単独過半数に届いておらず、会派や無所属議員の間で駆け引きが繰り広げられそうだ。

 新政みえは、現職二十人、新人三人が当選。改選前も第一会派だったが、昨年は正副議長ポストを自民勢に奪われる“屈辱”を味わった。会派代表の三谷哲央さんは、五月十三日の正副議長選挙を見据えて「まずはしっかりとした議長を出し、県議会をリードしたい」と強調。その上で「会派の政策、意見と合えば、どことも協調する」との意向を示した。

 現職十八人、新人三人が当選した自民は、鈴木英敬さんが再選を果たした今回の知事選で支持勢力の中軸を担ったが、県議選では公明を合わせても二十三議席にとどまる結果に。今後は第二会派「自民みらい」と少数会派「鷹山」の一本化が浮上する可能性があるが、鷹山代表の東豊さんは「今後の方針は会派内で協議して決める」と述べるにとどめた。

 今後の展開は新政みえ、自民双方の綱引きが予想される一方、二議席を奪還した共産と、無所属議員の動向がキャスチングボートを握る可能性もある。

 無所属議員のうち、初当選で伊賀市の稲森稔尚さんは「一人会派で活動する。一つの課題に対して自民や新政みえ、共産との連携は考えられるが、どこかに合流することはない」と明言。新政みえを離脱して一人会派「能動」を立ち上げた、三選で亀山市の長田隆尚さんも「皆さんの声をできる限り多く聞こうと会派も離脱した。今後も色に染まらず、亀山の市民党として臨む」と強調した。

 一方、初当選で桑名市・桑名郡の倉本崇弘さんは「全くの白紙。会派に入るのは一長一短がある。政治的メリットが大きい方で判断する」と述べた。

 (統一地方選取材班)