三重

知事選あす決着県議選は36議席を競う

2015年4月11日

 統一地方選前半戦の知事選、県議選(定数五一)は十二日、投票が行われ、即日開票される。知事選は団体役員で無所属新人の藤井新一氏(56)=共産推薦=と再選を目指す無所属現職の鈴木英敬氏(40)=自民、公明、新政みえ推薦=が争う。県議選は無投票を除く九選挙区で、四十七人が三十六議席をめぐってしのぎを削る。

 知事選は与野党第一党が激突し、新人三人の争いになった前回から一転、現職と新人による八年ぶりの一騎打ちになった。

 県民主医療機関連合会事務局次長の藤井氏は二月に出馬を表明。「命、暮らしが第一の県政に転換しよう」と主張し、鈴木県政への批判票の取り込みを目指す。医療・福祉・介護の充実を公約に掲げ、街頭演説中心の選挙戦を繰り広げている。昨年の衆院選で躍進した共産の支持層以外への支持の広がりが鍵を握る。

 全国最年少知事の鈴木氏は支援する自公や後援会、企業・団体を軸にした組織戦を展開。「県民党」として千六百以上の推薦を受けた。人口減少対策や子育て支援を訴え、支持なし層にも食い込む。民主が擁立も推薦もしない初の「不戦敗」を決める中、前回は対立候補を推した連合三重と地域政党「新政みえ」が推薦した。

 県議選は、民主・連合系会派「新政みえ」と自民勢の最大勢力争いが焦点。新人三人を立てた共産が、前回選で失った議席を奪還するかも注目だ。

 改選前は新政みえが二十三人、「自民みらい」「鷹山」の自民勢が計二十三人と勢力が拮抗(きっこう)。過半数を占める会派はないが、自民勢は前回選で鈴木英敬氏を推した公明、みんなの党(当時)と連携して正副議長ポストの独占に成功し、議会運営の主導権を握ってきた。

 自民は二十六人を公認。一九八七(昭和六十二)年の改選以来、二十八年ぶりとなる単独過半数をもくろむ。一方、二〇〇五年から十年間にわたって最大勢力を維持してきた新政みえは、今回は現有議席と同じ二十三人の擁立にとどまった。

 共産は前回選で小差で失った議席奪還が悲願で、新人三人を立てた。改選で三議席を獲得すれば一九七九年以来、三十六年ぶり。社民は四人を推薦した。

 女性は七人が立候補しており、四人以上が当選すれば県議選では初めてとなる。

 今回は選挙区割りの見直しや定数削減はないが、二〇一九年に予定される次回から、合区とともに定数六減になる。今回無投票の八選挙区のうち、五選挙区が定数削減の対象区となった。次回を見越して新人が出馬を見送った可能性がある。

 (相馬敬)