三重

<10代の“有権者”から>選挙への意識付け必要

2015年4月10日

「相手の立場になって考えられる人が選ばれてほしい」と話す崎さん=多気町五桂の「まごの店」で

写真

◆相可高食物調理科3年・崎楓真さん(17)=津市

 相可高校(多気町)の調理クラブで部長を務めています。三月に津市内にあるすし屋へ研修に行ったら、大将から「時事ネタも話せるようになれ」と言われました。「お客さんの話の聞き手になったとき、世の中の動きが分かってないといけない」−と。

 それまでは料理とか運動とか、自分の好きなことばかりやっていて政治に興味はなかった。大将に教えられてからは、ニュースを気にして見るようになりましたね。最近は、自分と同世代の若者が事件に巻き込まれるニュースが多く、物騒だなと感じています。

 この間、選挙の投票率が低いというニュースが流れたので、両親に「そういえば、投票に行っているの?」と聞いてみたんです。すると「投票してるさ」と当たり前のように言われ、びっくりしました。親から選挙の話を聞いたことがなかったので、てっきり投票に行っていないと思ってました。

 十八歳から選挙権を持てると言われても、実感はありません。どこか人ごとのよう。初めのうちは興味本位で投票に行くかもしれないけど、何で投票に行くのか、何でこの人に一票を入れるのかというのは、十八歳ではまだ分からないと思う。自分はちゃんと考えて投票するつもりですが、中には直感で入れる人もいるのでは。

 選挙権を得る年齢になって突然、何かが変わるわけじゃない。だから、そのときまでに選挙への意識付けをすることが大事だと思います。今のままだと、その年齢になったから選挙に参加する、というふうにはならないと思うので。

 統一地方選では、人の話をしっかり聞いて、相手の立場になって考えられる人が選ばれてほしい。そして、例えば伊勢マグロなど、地元の食材をどんどんブランドとして広めていくような政策を進めてほしい。そうすれば、三重の食文化をもっと発信できると思うからです。

 (聞き手・大沢悠)