三重

<10代の“有権者”から>観光振興で若者雇用を

2015年4月9日

「熊野古道で観光振興を」と期待を話す北裏さん=尾鷲市の尾鷲高で

写真

◆尾鷲高3年・北裏麻亜子さん(17)=尾鷲市

 高校生が地域の課題や解決策を考える「尾鷲市まちばなプロジェクト」という取り組みが一月にあり、私も参加しました。過疎化が進んでいる市内の集落を巡り、地元を見つめ直すきっかけになりました。

 ある集落では、空き家をゲストハウスに改装して人を呼び込もうと頑張っていました。そんな活動があること自体、私は全く知らなかった。こうした取り組みを盛り上げるためにも、行政には、もっと情報発信してもらいたいと思いますね。

 高校を卒業したら、多くは進学や就職で市外へ出てしまいます。自然豊かな田舎で育ったので、都会に溶け込めるか不安です。なじんだ土地で働く方が心にゆとりができそうだけど、働く場所がありません。仕事があれば、地元に残るという人も多いと思います。

 尾鷲のある東紀州は熊野古道が有名。だから、統一地方選では伊勢神宮を訪れる人たちを熊野古道に引き込めるよう、観光振興に力を入れてくれる人に当選してもらいたい。お土産や宿泊でお金を使ってもらえば景気も良くなる。雇用が生まれれば、尾鷲に残る人も増えるのではないでしょうか。

 地域の課題としては、あとは防災でしょうか。南海トラフ巨大地震が起きたら、尾鷲では津波が市街地を襲うといわれています。家が海抜三メートルの場所にあり、災害の危険が高いです。近くの避難場所になっている施設は古く、避難しても倒れるのではないかと心配。安全な高さのタワーを建てるなど、命を守ってくれるような対策をしてもらえたら。

 選挙権が十八歳以上になるとしたらうれしいし、投票に行くつもり。でも飲酒や喫煙は二十歳以上のまま。ただ投票率を上げたいだけなのかな。選挙権を認めるなら、成人年齢も十八歳にするのが妥当だと思います。

 将来は人に何かを伝える仕事に就きたい。だから、テレビのニュースや新聞を見て、政治に興味を持って勉強しています。

 (聞き手・小坂亮太)