三重

<10代の“有権者”から>地元出る前、一票あれば

2015年4月6日

模擬投票で政治への関心が高まったと話す山下舜二さん。「地元にいる高校のうちに、投票する機会があればいい」と話す=四日市市で

写真

◆名古屋学院大 山下舜二さん=いなべ市出身

 母校の桑名西高校(桑名市)で昨年末、社会科の授業で衆院選の模擬投票を体験しました。せっかく選んで投票したのに何も変わらないのでは困るので、その候補がどうやって公約を実現しようとしているのかを重視しました。僕自身は、勝ちそうな大きい党に流されることはないですね。良いと思わない党を応援しても形だけの投票になるので。

 正直言って、模擬投票をやるまで政治に関心はなかった。授業で各党の公約を見比べたおかげで、自分も投票に行きたいという意欲が湧いてきました。僕らのように模擬投票をする高校は一部だけなので、近くの高校同士で一緒にやれるといいと思います。交流するだけで、ちょっとでも選挙に関心や興味が湧くのでは。

 選挙権年齢を「十八歳以上」に引き下げることには賛成です。早すぎることはないと思う。二十歳で成人式の区切りなのは分かるんですが、かといって十八歳は大人じゃないのか、と不思議に思うので。大学進学で一人暮らしを始める人は多いし、高卒で働く人は税金を取られるのに、税金の使い方に意思表示できないのはおかしい。みんな二十歳になったら政治に興味が出てくるというわけでもないし。

 僕は四月から名古屋市で一人暮らしをしています。大学に行って地元を離れると、投票のために戻るのが面倒だったり、戻ってきても地元のことに関心がなくなったりすることが多いと思う。地元にいる高校生のうちに投票できる機会があったらいいと思います。

 統一地方選のことは正直、あまり知りませんでした。全国ニュースと違ってテレビで大きく流れないので、興味を持つきっかけが少ないし、三重県でどんな課題があるのか、すぐには思い浮かばない。若い世代向けの政策を出したり、国の大きな話題と絡めたりして、もう少し注目度を高めると良いのではないでしょうか。

 (聞き手・滝田健司)

   ◇ ◇

 早ければ参院選のある来夏から、選挙権年齢が十八歳以上へ引き下げられる見通しだ。「十代の有権者」になるかもしれない若者たちは今、地域で繰り広げられる統一地方選に何を思い、どう政治と向き合おうとしているのか。等身大の声を紹介する。