三重

桜が満開“春”はどちらに?知事選

2015年4月5日

 各地の桜が満開となった週末の4日、知事選に立候補した無所属新人藤井新一さん(56)=共産推薦=、無所属現職鈴木英敬さん(40)=自民、公明、新政みえ推薦=は支持拡大を求めて人出でにぎわう名所を訪れ、自らの“春”の到来を訴えた。

 (添田隆典、滝田健司、相馬敬)

◆「豊かに咲く県政」訴え 藤井さん 

宮川の堤防にある桜並木の前で支持を呼び掛ける藤井新一さん=伊勢市で

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 藤井さんは伊勢参りの「桜の渡し」で知られる伊勢市の宮川周辺で演説。桜並木の堤防を歩く花見客に、選挙カーの上から「みなさんの暮らしが、この桜のように豊かに咲く県政をつくります」と呼び掛けた。

 藤井さんは「近くにある介護施設で事務長をしていたが、介護現場の職員の給料は決して高くない。介護報酬が下がると事業を続けられないという声を聞く」と指摘し、介護事業所への助成拡充など、選挙戦で繰り返し訴えている公約を披露。「県民のみなさんが主人公の県政をつくる」と約十八分間にわたって熱弁を振るった。

 夕方には同市の近鉄宇治山田駅前で、共産党の衆院議員や県議選伊勢市選挙区の候補者と一緒に演説した。

◆花見客との交流重視 鈴木さん 

桜並木の下で来場者に笑顔で握手する鈴木英敬さん(左)=四日市市諏訪町で

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 鈴木さんは、四日市市と鈴鹿市の花見会場に登場。連日の街頭演説で少し日焼けした顔に笑みを浮かべながら支持を呼びかけた。

 四日市市中心部での催しでは、約九十の屋台が並ぶ桜並木の下を一時間かけて練り歩いた。天気予報では雨が心配されたが、到着した昼前には晴天となり、ステージ上で「天気も桜の状態もこの上ない」とにっこり。「会場にはサンマずしなど県内の良い物が集まっています」と、一期目に注力した観光PRにも余念がなかった。

 ただ、場の雰囲気を気遣ってマイクでの演説はせず、花見客との交流を重視。「よろしくお願いします」と会場内を握手して回った。午後は亀山市内に入り、持論の人口減少対策などを訴えた。