三重

知事選後半戦、両陣営どう戦う?

2015年4月4日

 12日投開票の知事選は、いよいよ後半戦に突入した。次の4年間のかじ取り役に名乗りを上げた無所属新人藤井新一さん(56)=共産推薦=、無所属現職鈴木英敬さん(40)=自民、公明、新政みえ推薦=はさらなる支持拡大に向け、どんな戦略を描いているのか。両陣営の幹部に迫った。

 (届け出順)

◆藤井陣営 対案示し有権者に問う

藤井陣営の竹田治事務所長(67)

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 勝利への秘策や特効薬はないが、事実に基づいた批判と対案を、真面目に訴えて勝負する。組織力や推薦団体の数は差があるが、政策では負けていない。

 告示前は支援団体へのあいさつ回りや、政策の勉強会を開いて顔を売り込んできた。告示後の前半戦は街頭演説が中心で、共産党の県議候補者とも一緒に訴えてきた。後半戦は、もっとかみ合った政策の議論ができるようにしたい。わが道を行くだけでは駄目だ。鈴木さんが何を訴えているかを分析し、対案を示して有権者に判断を問う。

 昨年末の衆院選では、民主党が候補者擁立を断念した4区で共産党が善戦した。知事選は政党選挙と性質が違うが、自民への批判票の受け皿となれるよう支持を広げたい。

 今までと違った傾向として、子育て世代の二十〜三十代から、事務所への電話や来訪で反応がある。どこまで明確な争点を示し、有権者に政策を浸透できるか。勝利はその努力に懸かっている。

 (聞き手・滝田健司)

◆鈴木陣営 関心の低い人へも訴え

鈴木陣営の小倉昌行事務局長(68)

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 告示前は知事の公務が忙しく、六カ所でしか活動報告会ができなかったが、告示後は県内を北から南まで回れている。四年に一度の審判なので、重点地域は定めず、いかに各地をくまなく回るかに腐心している。ただ、街頭での反応は本人も驚くほど良く、推薦する企業・団体数も千五百を超えた。四年間の実績を評価してくれたと受け止めたい。

 行楽時期と重なる後半戦は、花見会場など人の集まる場所での街頭演説が中心になる。投票率を最低でも50%に乗せるため、選挙に関心の低い人にも訴える。本人は子育てや若者の雇用など人口減少対策に力を入れているので、同じ働く世代の支持を広げたい。

 県議選が始まったが、県民党を掲げているので、特定の候補者から要請があっても応援には入らない。

 前回の知事選では、推薦を受けた自民党から幹部クラスが続々と応援に来てくれた。県民党を掲げていることもあり、今回は特に予定していない。

 (聞き手・添田隆典)