三重

知事選、2候補の素顔に迫る趣味やオフの過ごし方は

2015年3月28日

 四月十二日投開票の知事選に立候補し、各地を飛び回る新人の藤井新一さん(56)=共産推薦=と、現職の鈴木英敬さん(40)=自民、公明、新政みえ推薦。街頭で政策を訴える真剣な姿だけでなく、その人となりやオフの一面も知りたいところ。趣味などを尋ねた四つの質問の回答と合わせ、二人の素顔を紹介する。

 (上から届け出順)

◆藤井新一さん(56)無新 根っから理系、漫画好き

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 「物事を『本質的にはどうなんだろう』と考えるタイプ」とは、自らを表した言葉だ。根っからの理系。「例えば宇宙はどのくらいの大きさなのか。テレビで流れると、すぐに考えてしまう」。子どものころの夢は科学者で、一時は動物行動学を志したこともある。

 次男だった父親は秋田県から横浜に出てきて、小さな町工場に勤めていた。「零細企業で、いくら働いても豊かにならないのを見てきた」。東京の大学で共産党に誘われ、一度は断ったという。「少しでも世の中を良くしようと行動しなければ変わらない」。半年ほど悩んで入党した。

 三重との縁は、就職した製薬会社の津出張所に営業職として勤務してから。「社会のあり方を実際に知った」。その後、党機関紙の記者として県内を駆け回り、芦浜原発建設計画も取材した。「県民の声が一つになれば大きく政治を動かすことができるのを目の当たりにし、感動した」

 伊勢で介護事業所の開設にも携わり、夜間対応型訪問介護をいち早く手掛けた。「職員と一緒になってつくったのが誇り」。現場での体験が医療や介護、福祉の拡充を訴える原点だ。行政による企業誘致に異を唱え、中小企業や小売店などが「三重の経済の主役」と強調。フェイスブックやツイッターも活用して支持拡大を目指す。

 次男と長女、妻との四人暮らし。愛猫の「カリン」は人気漫画から名付けたという。「漫画は子どもが買うから何でも読みます」と笑う。

 (相馬敬)

■質問(1)趣味(2)好きな食べ物(3)血液型(4)身長と体重

(1)読書と将棋、囲碁。将棋は大学時代の新人戦であと1勝で全勝だったという腕前だ。「アマで初段の腕はあると思ってるんですが」(2)カレーライス、ラーメン(3)O型(4)170センチ、63キロ

◆鈴木英敬さん(40)無現 息子と風呂で湯ったり

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 全国最年少の三十六歳で知事に就任して四年。県の旗振り役として、二十年に一度の伊勢神宮式年遷宮や、熊野古道の世界遺産登録十周年などの大きな節目を乗り切った。

 特に忘れられないのが、就任間もない二〇一一年九月に起きた紀伊半島豪雨。連日舞い込む被害対応に追われ、「知事は結果を残してなんぼ。中身をしっかりやると意識するようになった」

 兵庫県で生まれ育ち、大学卒業後の十年間、経済産業省の官僚を務めた。本籍地は菰野町だが、〇九年の衆院選に立候補するため、移り住むまで三重県との縁は薄かった。

 その分、「よそ者だからこそ県の魅力が分かる」と、任期中は情報発信に努めた。県内各地を飛び回る中で「他者を受け入れる」という県民性に感銘を受け、霞が関からは見えなかった暮らしへの切実な思いにも触れた。

 一二年には第一子の長男(2つ)を授かり、仕事への価値観も変わった。「どこか机上の空論だった」という家庭との両立の大切さに気付き、男性の育児休暇取得などを庁内で奨励。全国の知事で二番目の育休を取得した。

 当然、リラックスできるひとときは子どもとの時間。一緒に風呂に入るため、夜の会食を一日一回に減らすなど早めの帰宅を心掛ける。もう一つの息抜きはジム通い。前葉泰幸津市長から誘われて二年以上通い、十キロの減量に成功。「効果が出ると楽しいんです」。引き締まった笑顔が充実感の何よりの証しだ。

 (添田隆典)

■質問(1)趣味(2)好きな食べ物(3)血液型(4)身長と体重

(1)読書。警察小説や歴史物などジャンルを問わず5冊ほどを同時に読み進める(2)マーボー豆腐(3)A型。ただし、周囲からは「B型っぽい」とよく言われるそう(4)173センチ、74キロ