三重

現職と共産推薦が届け出知事選

2015年3月26日

 三重県知事選はいずれも無所属で、団体役員で新人の藤井新一氏(56)=共産推薦=と、再選を目指す現職の鈴木英敬氏(40)=自民、公明推薦=が立候補を届け出た。両候補は津市内で第一声を上げた。昨年の衆院選で議席を増やした共産の推薦候補が、政権与党の自公が推す全国最年少知事に挑む構図。鈴木県政への評価が事実上の争点となる。

 藤井氏は、共産などでつくる「県民本位のやさしい三重県政をつくる会」が擁立。選挙戦では、鈴木氏の政治手腕を「安倍政権に極めて忠実」などと批判し、医療・介護・福祉政策の充実を訴える。

 鈴木氏は前回選で、1万票差で民主が推す対立候補らを破り初当選。情報発信や防災、観光・産業振興などに力を注いだ。今回は政党色を薄める「県民党」を掲げて支持拡大を目指す。

 民主は岡田克也党代表の地元で候補擁立を断念し、自主投票を決定。一方、現県政の運営を評価した民主・連合系の地域政党「新政みえ」と、民主、新政みえと協力関係にある連合三重はいずれも鈴木氏の推薦を決めた。鈴木氏は「筋を通す」として前回も支援を受けた自公に推薦を依頼。それ以外の政党には推薦を要請しなかった。

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 藤井新一さん(56)=共産推薦=は津市大門の津センターパレスビル前で、約80人の支持者に「命と暮らしを第一にした県政に切り替えたい。力を貸してください」と訴えた。

 「ブラック企業規制条例」の制定や、介護事業所への県単独助成などの公約をアピール。国政と絡めて「原発の再稼働などを推進し、暴走を続ける安倍政権に付き従う現県政にストップをかけたい」と強調。再選を目指す鈴木英敬さん(40)=自民、公明推薦=との一騎打ちには「政党の力関係では大きな差があるが、多くの声が集まれば変化をつくれる」と支持を呼び掛けた。

 鈴木さんは、初当選を果たした4年前と同じ赤色のジャンパー姿で登場。津市羽所町の津駅前で約400人の支持者を前に第一声を上げた。

 1期目に過去最高の年間約4080万人を記録した観光客数などに触れ、「県民が当たり前に思っている魅力を県外に伝えようと、情報発信に努めた」と4年間の実績をアピールした。その一方、「非正規雇用や貧困の問題など課題はたくさんある」と述べ「三重県、三重県民はこんなものじゃない。今までの歩みを加速させ、三重県をもっと良くする」と声を張り上げた。