三重

<県議選読本>(4)主導権数めぐり火花散らす

2015年3月24日

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 A(三重けんぎくん)どうしたんですか、候補者のポスターとにらめっこして?

 Q(有権者)うちの選挙区も候補者が多くて、1人に投票するの迷っちゃうわ。政党もいろいろあるようだけど、国会議員の選挙みたいに関係あるのかしら?

 A もちろんですよ。候補者は当選すれば、会派に所属したり、新しく結成したりするんですが、政党は会派と関係が深いんです。

 Q どうして?

 A 会派は同じ政党の公認や推薦を受けた議員で占めていることが多いからです。それだけじゃないですよ。知事も政党の推薦を受けて当選していることがよくあるんです。そもそも県議会の役割って何でしたっけ?

 Q 県の仕事をチェックすることでしょ。

 A その通り。知事は自分がやりたい政策や予算を企画しても、議員の半分以上がOKしないと、実行できないルールなんです。では、もし知事を応援した政党の議員が、過半数いれば?

 Q 考えが近いから、議会のOKをもらいやすそう。

 A 逆に、ライバル政党の会派が多数派を占めると、賛成してもらうために譲歩も必要になりますよね。知事は、過半数を占める会派の発言力を無視できません。ですから、県議選では数をめぐるバトルが注目されるわけですよ。

 Q 国会議員が自分の選挙でもないのに「県議選勝利を」って叫んでるのも関係あるの?

 A ありますね。党が推す県議が多いほど、それだけ県への影響力を発揮できますから。市議や町議に比べて顔が利く分、国政選挙のときにも大切な戦力になるのは、すでにお話ししましたよね。

 Q 政党と関係のない会派もあるの?

 A もちろん。人数は少なかったりしますが。

 Q 少ないと損じゃないの?

 A 必ずしもそうとは限りません。議会内で一つの会派が過半数を占めない場合、少数会派との協力が欠かせませんから、存在感を示せる場合があります。ところで、県議選と同じ4月12日に投開票がある選挙をご存じですか?

 Q 知事選ね。

 A その通り。もし、県議選で誰に投票するか困ったら、知事選の候補者の政策と比べてみてはどうですか。知事になりそうな候補を当選後、後押ししたいか、それとも歯止め役を期待したいかで選ぶのもありですよ。

 Q なるほど。じゃあ、どちらも一緒に投票するのが一番ね。

 A 首長と議会は自治体の「車の両輪」ですから、どちらも欠かせません。知事選も県議選もいよいよ本番。候補者をじっくり見極め、一票を投じましょう。

 =おわり

 (文・添田隆典、マンガ原案・河郷丈史、イラストは津市在住の画家、久世なつかさんが担当しました。)