<県議選読本>(3)懐事情ちょろまかしご法度
2015年3月23日
Q(有権者)妙にホクホク顔じゃない。
A(三重けんぎくん)えへっ。お給料が入りまして。
Q 給料って議員報酬のこと?。いくらもらってるのよ。
A ここだけの話ですよ。三重県の県議だと月給83万円に、ボーナスが年間403万円ちょっとです。副議長になると月給90万円、ボーナスは年間約437万円。議長は月給102万円、ボーナスは年約496万円です。
Q 一般の議員でも年収に直すと、1400万円ってこと?。もらいすぎじゃないの。
A 額面ほど楽じゃないんですって。何と言っても、落選したら次に当選するまで少なくとも4年間は無職のおそれがあるんですよ。何度も当選している議員でも「家族を食べさせないといけないから、落選した時の生活費は議員報酬の蓄えからかなり回している」と聞きます。年金制度も廃止されましたから、老後の備えもしておかないと。選挙費用も報酬からやりくりします。
Q 視察に行くお金もかかるでしょうから、仕方ないのかしら。
A いえいえ。そういう調査や研究にかかるお金は別に支給されるんです。政務活動費ってご存じですか。三重県議会だと、一人当たり個人と会派分を合わせて年間約317万円使えます。
Q “号泣”県議で問題になったお金ね。税金をなんだと思っているのかしらね。
A 三重県にしても兵庫県にしても、政務活動費を使えば、領収書が必要です。すべての領収書の写しは議事堂の図書室や議会事務局で公開されていますから、チェックもできます。
Q じゃあ、どうして不正が起こるのよ。
A 領収書が発行されない電車代などは自己申告のため、万が一、うその報告をされると、見抜けないおそれがあるんです。“号泣”県議はこの抜け道を悪用して、温泉などのカラ出張を繰り返したようですね。
Q ルールが曖昧なら見直してほしいわ。
A 三重県議会でも、もっと透明性を高めるべきだとの声はあります。一方で、あまりにルールを厳しくすると、正当な視察でも使いにくくなると慎重な声もあります。おっと、そろそろ次の仕事に行かないと。電車の時間が近づいてまして。
Q あら、どこへ?
A 〇△×温泉です。観光客の呼び込みに成功しているので、視察でヒントを探ろうと。これもれっきとした政務活動ですから。あそこの温泉、肩凝りに効くんだよなー。では。
Q いつか号泣するはめになるわよ。
=つづく