三重

県知事選、鈴木氏が「政策集」発表

2015年3月17日

 二十六日告示、四月十二日投開票の知事選で、立候補を表明している現職の鈴木英敬氏(40)は十六日、津市内で記者会見し、八本の柱と五十九項目の公約をまとめた「政策集」を発表した。

 防災・減災から医療・介護、産業振興まで幅広い分野を網羅。すべての根幹となる「教育・人づくり」を最初の柱に掲げた。

 具体的には子どもの学力・体力向上のほかに、国際的な大学入学資格「国際バカロレア」が取得できる公立高校の設立を検討。公立の中高一貫校・中等教育学校や林業大学校の設立も目指す。「いじめ防止条例」制定なども進める。

 喫緊課題の少子化対策は二番目の柱に据えた。子育てグループで仕事を請け負う「子育てワークシェアネットワーク」の創設を明記。保育士を確保し、保育所と放課後児童クラブの待機児童を解消する。多子世帯への支援などにも取り組む。

 インフラ整備も柱に立てた。伊勢二見鳥羽ラインの無料化を「遅くとも(三重)国体前年の二〇二〇年度には実現する」と明記した。

 項目の一部には数値目標を掲げた。障害者雇用は、法定雇用率(2%)を達成した企業の割合を五年間で10%引き上げる。このほか、Jリーグチームの誕生に向けた協議や中山間地域振興条例の制定、防犯カメラを設置する市町への財政支援なども盛り込んだ。

 前回選で「給与の三割削減とボーナス半減、退職金の返還」と掲げた知事の給与と退職金の在り方に関しては「昨年の特別職報酬等審議会と議会の意見を踏まえ、総合的に判断する」とした。

 鈴木氏は会見で「現職として『実行』『実現』を重視し、重点項目に絞ってまとめた」と述べた。

 (相馬敬)