三重

<焦点 県議選まで1か月>(上)「過半数」めぐる攻防

2015年3月4日

間もなく改選を迎える県議会。議員の一般質問にも熱が入る=県議事堂で

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 四年に一度の県議選が四月三日に告示される。統一地方選で実施され、十七選挙区(総定数五一)に現時点で現職四十四人、新人十八人の計六十二人が立候補を予定する。六十五人が出馬した前回よりも三人少ない。国政で自民の「一強」体制が続く中、県議会の勢力図は四月十二日の投開票を受け、どう塗り替えられるのか。そして投票率はどうなるのか。焦点を探る。

 民主、連合系の「新政みえ」が最大会派を死守するか、第二会派の「自民みらい」と少数会派「鷹山」の自民勢が逆転するかが最大の焦点となる。

 県議会では二〇〇五年三月以来、新政みえが単独で第一会派を占め続けてきた。昨年十二月に一人が会派を離脱したため、現有議席は二十三議席で、三人が引退する。昨夏には民主党県連、連合三重との三者で現職二十人、新人二人の計二十二人の擁立を発表。二月末には、新政みえとして松阪市(定数四)で立候補する新人の推薦も決めた。

 空白区の鳥羽市(定数一)、志摩市(定数二)両選挙区では候補を公募したが、擁立には至っていない。「過半数に必要な候補者を確保したい」と意欲を示すが、告示まで一カ月を切っており、情勢は厳しい。

 現有二十三議席の自民勢は、亀山市(定数一)を除く十六選挙区で現職二十一人、新人五人の計二十六人を擁立する。全員が公認候補。二人が引退する。政権党としての勢いに乗り、自民単独での過半数を目指す。

 自民の現職は全員が自民みらい、鷹山のいずれかに所属する。自民勢は一一年の前回知事選でともに鈴木英敬知事を支援した公明、みんな(当時)とスクラムを組み、正副議長ポストの独占に成功。改選でさらなる影響力の拡大を狙う。

 公明は、現新一人ずつを擁立した。国政転出による四日市市(定数七)の空席を新人に引き継ぐことで、二議席確保を目指す戦い。

 県議会に議席を持たない政党では、前回選で議席を失った共産が新人三人を立てた。悲願の議席奪還の可否が焦点となる。社民は、新政みえ公認の現職三人と、元党県連代表の無所属新人一人を推薦した。

 今回は区割りや定数の見直しはない。選挙戦に突入するのは前回の十二選挙区から九選挙区に減る見通し。一方、無投票は五選挙区から八選挙区に増える見込みで、今後、有権者の選挙離れを指摘する声も上がりそうだ。

 一方、戦後に実施された県議選の投票率の推移を見ると、戦後間もない一九五一(昭和二十六)年に過去最高の89・1%に達したものの、平成に入ってからは70%台を割り込み、東日本大震災の直後に実施された二〇一一年の前回選では、過去二番目に低い57・10%に落ち込んだ。過去最低は〇七年の56・54%。

 (相馬敬)