岐阜

二重飛び地合併の大垣市議選票上積みへ“遠征”

2015年4月24日

写真

 定数二二に対し二十九人が争う大垣市議選は、県内の統一地方選後半戦の中では唯一、選挙区が三地域にまたがる。候補者たちは一票でも多く取り込もうと、飛び地にも積極的に手を伸ばしている。

 大垣市は平成の大合併で西濃一円での合併を目指したが、合併したのは互いに隣り合わない旧上石津町と旧墨俣町だけ。二〇〇六年に編入され、全国的にも珍しい「二重飛び地」を抱える市となった。

 今回の市議選では上石津、墨俣両地域から一人ずつが立候補。それぞれ地盤固めを進めるが、手をこまねいていられないのが、残る旧大垣市地域の候補者。特に面積が広い上石津地域は格好の狙い目となっている。

 選挙戦中盤の二十三日、市中心部を地盤とする共産現職は午後から上石津地域へと選挙カーを走らせた。途中の養老町ではマイクを切り、ウグイス嬢は一休み。上石津に入ると再び音量を上げて候補者名や公約を連呼した。

 地域推薦に頼らない公明や共産の候補はもちろん、民主や無所属の候補も親類や個人のつてを頼って“飛び地”の票を狙う。ただ地縁、血縁が強い地域だけに「旧市内の住宅街で浮動票を狙った方がよいかも」(無所属現職)との声も。

 前回選でトップ当選した上石津地域選出の自民現職は「上石津の人だから応援するとかではなく、自分が掲げる政策で選んでもらえるよう有権者に訴えたい」と、地域票だけでは安心できない心情ものぞかせる。

 市選管によると、飛び地間の移動で選挙区外を走る際のルールは特になく、スピーカーを鳴らし続けても問題はないという。ただ票にはつながらないだけに、「マイクを切って走りすぎるだけ」(民主現職)という候補者が大半だ。