岐阜

舌戦、カギは「幅広く」

2015年4月21日

出陣式で気勢を上げる候補者ら=美濃市で

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 19日に火ぶたが切られた統一地方選の後半戦。中濃地域では、坂祝町長選や、坂祝、富加の両町議選も21日に告示される。関、美濃両市議選は、すでに激しい舌戦を各地で展開。関市では選挙区制が変わるなど前回と異なる様相も見られる中、候補者たちは26日の投開票に向けて、地元以外でも幅広く有権者の支持を獲得しようと、主張や戦術に工夫を凝らしている。

◆候補不在地域へ行脚 美濃市議選

 美濃市議選(定数一三)は、十四人の候補者が届け出て選挙戦に入った。

 一人欠員で十二人だった現職からは八人が立候補。新人は前回から一人増えて五人が出馬した。女性候補は前回から二人増えて三人。候補者の平均年齢は六二・九歳で、前回から〇・九歳上がっている。

 各候補は出陣式や街頭での訴えで、人口減少対策、美濃和紙や自然など地域資源を生かした地域振興策などに言及。財源の使い方について、あらためて問い直す候補もいた。

 地域別に見ると、上牧地区からは四人、大矢田地区からも三人が立候補している一方で、北東部の洲原地区では候補者がいない。

 混戦地区の候補者の中には、候補者がいない地域にも重点を置きながら活動しようという動きも見られる。

◆区制撤廃で地盤固め 関市議選

候補者の訴えを真剣に聞く住民ら=関市で

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 関市議選は今回、定数を二五から二三に削減。また前回までは県内の市議選で唯一、合併前の旧市町村単位の選挙区を残していたが、今回から旧武儀郡五町村の選挙区が廃止され、全市一区の選挙区になった。

 二十七人が立候補し、旧郡部出身の現職候補には、初めての選挙戦となる人もいる。二十七人の内訳は、現職二十一人、新人六人。平均年齢は六二・〇歳で、前回より二・五歳高くなった。最も若い人が五十二歳。女性候補者は前回の二人から、今回はゼロとなった。

 初日の十九日は多くの候補が「まずは地元をきちんと回ろう」と、それぞれの地元周辺を選挙カーで街宣。車から降りて支援者と握手を交わすなどして支援を求めた。

 二十日からは旧郡部の候補者も、積極的に市街地に進出。地元票を固めると同時に、市中心部での支持も模索する。市中心部出身の議員も仕事や友人関係を頼って、旧郡部での票獲得を目指す。

 候補者は、子育て環境整備や地域の特性を生かしたまちづくり、有害鳥獣対策などを訴えている。

(織田龍穂、大野雄一郎)